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MBA講座:新薬開発に限界!? なぜ日本の製薬会社は苦戦しているのか(1/7ページ)

決算発表から読む経営動向(その6-バイオビジネス前編)

2015.07.29

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利益が急降下した武田薬品

 米ノースウェスタン大学ケロッグビジネススクール教授のF・コトラーは、マクロ環境を「PEST」の4つの視点から分析する枠組みを提唱した。4つとはPolitics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)である。

 このPESTの4つの構造的変化が、かつて「超優良」といわれた企業を動転させている業界がある。それが医薬品業界である。

 <図6-1>は、武田薬品工業の比例縮尺財務諸表と売上高・営業損益推移グラフである。

[画像のクリックで拡大表示]
図6-1 武田薬品工業の比例縮尺財務諸表(2015年3月期)
PLは営業損益まで表示。国際会計基準に基づく(単位・:億円)

 武田は2008年まで優良企業の代名詞だった。2008年以降の推移グラフを見ると売上高は上昇しているものの、利益が急降下し、直近では赤字に転落している。

 赤字の直接的な要因は、同社のブロックバスター(大ヒット新薬のこと)だった糖尿病治療薬「アクトス」の副作用を巡って米国で集団訴訟が起こされ、原告側との和解に向けて約3200億円の賠償金を引当計上したためである。

 武田にとって最終赤字は、上場以来初めてである。それどころか創業以来初である。武田薬品工業の第1期は1925年のことで、この年は武田家当主5代目の武田長兵衛が、個人商店を株式会社に改組した年である。個人商店時代から戦中や戦後の混乱期も含め、最終黒字を確保してきたが、ついに黒字の歴史が第138期で終わった。

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