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和田秀樹 サバイバルのための思考法ビジネス

本当に怖い依存症~ASKAさんとカジノ法案に共通の問題点(7/7ページ)

2016.12.06

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依存症の問題を教育として考える

 さて、日本のパチンコ依存が200万人に対して、人口が2倍半以上もいるアメリカのギャンブル依存症は10万人程度だという。前述のようにラスベガスか、ネイティブ・アメリカンの居留地に行かないとカジノができないとか、競馬や競輪も毎日開催でないからだろう。逆に言うと、毎日開催で、アクセスのいいパチンコがいかに危険かということになるが、それと同様に依存症とうい観点からスマホがいかに危険なのかがわかる。

 パチンコでさえ、休んでいる時間帯があるのに、24時間常に持っていられるし、いつでもゲームなどができる。また、パチンコでさえ、何分かは歩いたり、車に乗ったりしないと着かないのに、スマホは肌身離さず持っていられる。

 また、少しでも人気を得たり、売り上げを上げたりするために、ゲームの開発者たちは、「はまる」ものを真剣に作る。「はまる」というのは、精神医学の立場からみると依存症の一歩手前、あるいは本当に依存症になった状態だ。

 政治も、マスメディアも依存症に対して、こんなに甘いどころか、それを誘発する勢いなのだが、やはり子供は守らないといけない。ただ、親が取り上げてもなかなかうまくいかないだろう。

 道徳教育をどうしても導入したい人がいるようだが、本当に子供の将来を考えるなら、真剣に依存症の危険や依存症がどんな病気なのか、どうすれば予防できるのか(近づかないのが一番いい)、そして最悪、依存症になった場合は、どう治療すればいいのかなどの教育が急務と考える。

 たまたま、私の『依存症の科学』(岡本卓氏と共著)を読んで、そういうことを文科省に提言しようとする研究者の人が、ASKAさんの逮捕の2日くらい後にヒアリングに来られたが、真剣に応援したくなった。

和田 秀樹(わだ・ひでき)
和田 秀樹(わだ・ひでき)

 精神科医。1960年生まれ。東京大学医学部卒、東京大学附属病院精神神経科助手、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、『和田秀樹こころと体のクリニック』院長。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師。川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。『テレビの大罪』(新潮選書)『人は「感情」から老化する』(祥伝社新書)など著書は多数。

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