やはりアメリカというのは一つの国ではない

 大方の予想を覆し、ドナルド・トランプ氏が大統領選を制した。

(写真:PIXTA)

 ただ、実際、どのくらい「大方の予想を覆した」のかは、私は怪しいという気がしている。確かに、その日の開票結果で、東京の市場は大荒れしたが、ニューヨークの市場は恐ろしく冷静で、むしろ株価は上がっている。その後も、現在のところ、株価は堅調に推移しているし、財政赤字などの懸念で、ドルが売られるどころか、むしろドル高が続いている。隠れトランプが予想外に多いことは織り込み済みだし、そんな無茶苦茶な政策をやらないだろうと、市場が見ているように思えてならない。

 さて、この選挙結果をどう見るかだが、私の率直な印象は、やはりアメリカというのは一つの国ではないということだ。

 今回の選挙でもう一つニュースになったことに、得票数では、ヒラリー・クリントンのほうが多かったということがある。これは、2000年の大統領選挙でブッシュ・ジュニアがアル・ゴアに勝った選挙以来のことであり、その前は1888年の選挙ということだから、めったにあるものではない。

 ただ、ゴア対ブッシュのときと共通するのは、西海岸と東海岸の北部では、民主党候補が勝ち、中西部などそれに挟まれたアメリカの海に面していない州では、ほとんど共和党が勝っている。