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和田秀樹 サバイバルのための思考法ビジネス

トランプ勝利の精神風景(2/7ページ)

2016.11.22

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ビル・クリントン政権以降に分断が加速

 こういう傾向は、ここしばらくのアメリカの大統領選挙ではずっと続いていることで、私がアメリカ留学中の1992年にビル・クリントンがブッシュ・シニアに大勝した際も、私の住むカンザス州では(その上のネブラスカ州も、その下のオクラホマ州も)共和党が民主党に勝っている。

 当時は、ぼつぼつ、シリコンバレーでIT企業が勃興を始めていた時期ではあったが、今ほどの勢いもないし、金融工学などと言われて、国際金融業者がアメリカ経済を引っ張る勢いになったのは、ウォール街の代理人と言われたクリントン政権以降の話であるから、アメリカの経済は、まだどこも悪かったのだが、その中でも中西部は悲惨だった。

 その当時、なぜ貧しいものの味方(勝ち組の味方に民主党がなったのは、クリントン政権以降とされている)の民主党に、貧しい人が多い中西部の人間が投票しないのかを非常に不思議に思っていたが、日曜日に礼拝に行くのが当たり前(そのせいでショッピングモールはガラガラだった)の超保守的地域では、生活を助けてもらうより、ホモセクシュアルを認めるような考えの人は許せないという気風が強かった。あるいは、経済で外国に勝つより、軍事で勝つほうが大事という強面(どこかの総理大臣に似ている気がするが)のほうが受けたようだった。

 その後、ITで西海岸の経済が潤い(現実にもともとはLAがいちばん栄えていたのに、今は西海岸の北部のほうが明らかに景気がいいし、素敵な高級レストランも多い)、金融業で東海岸(と言ってもニューヨークの周りだけで、昔、南部と言われていた地域はさっぱりだが)が潤うようになると、その分断は余計にひどくなった。

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