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「3冊だけ」で仕事術向上! ――奥野宣之「ビジネス書、徹底比較レビュー」ビジネス

トランプvsヒラリー 本当の「奇人」はどっちだ! ――3冊で見通す“世界最高権力”の行方(7/7ページ)

2016.06.24

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ヒラリーの「本性」に期待

 こう考えてみると、ヒラリーは現状維持を望む人々が選ぶ「アンパイ」ではないことがわかってくる。

 ヒラリーが大統領になれば、これまでになかった女性リーダー像を示し、能力だ人柄だと言いながらも、なにかと色気に引っかき回されてきた社会が変わるかもしれない。

 トランプは見ての通り過激な候補だが、ヒラリーも「男と女」という枠組みを壊す爆発力を秘めた候補なのだ。

 『ヒラリー・クリントン 運命の大統領』は、ヒラリーが大学時代に日記に記したというある言葉を次のように紹介している。

「私って誰だろう? もう一人の私にいつ会えるのかしら? 会えたら、すごく折り合いよくやっていけるのに」
「もう一人の私」とは、すなわち「本当の自分」ということになるだろう。ファーストレディの後の「上院議員としての私」「国務長官としての私」は、過渡期の「もう一人の私」だった。最終的な「本当の自分」に出会うのは、世界の覇権国家のトップになりおおせたときだろう。(ヒラリー・クリントン 運命の大統領/P.12)

 大統領夫人でもなく、女性議員でもなく、国務長官でもないヒラリー。男も女も関係ないひとりのリーダー。そんな「大化け」の片鱗を本選前に見せてくれれば、世間のヒラリー嫌いも一気にひっくり返せるかもしれない。

 色気のカケラもない格好で、男はもちろんダンナにもこびず、ひたすら権力を目指してのし上がってきた。女性としての成功に興味などなく、「女」を売りにするフェミニストでもない。男も女もなく、ただ自分の知的能力と政治手腕に絶対的な自信を持つ、生まれついての野心家だ。

 そんな「奇人」としての一面を取り戻せば、とにかく現状が変わることを望む大衆の支持をつかむことも可能になるのではないだろうか?

 トランプとヒラリーの「奇人対決」になれば、残り短い大統領選は実り多いものになるに違いない。


■ここだけは押さえておく3冊の要点

『崩壊するアメリカ ~トランプ大統領で世界は発狂する!?』
●トランプはなんでも「損得」で考える。日米同盟も例外ではない
●オバマの功績は大。次の大統領もその影響から逃れられない
●アメリカの「孤立主義」志向は誰が大統領であろうと決定的
【こんな人におすすめ】
→ 「トランプ現象」が象徴するアメリカの変化がつかめる

『なぜヒラリー・クリントンを大統領にしないのか?』
●ヒラリーは「日和見」「嘘つき」のイメージが強すぎる
●「保守とリベラル」という対抗軸にアメリカ人は疲れてきている
●本選(11月)前のオクトーバー(10月)・サプライズで風向きが変わることも
【こんな人におすすめ】
→ 日本ではほとんど知られていない共和党支持者の本音が聞ける

『ヒラリー・クリントン 運命の大統領』
●ヒラリー大統領の誕生によって、米国は女性差別を克服できる
●次の大統領はいきなり山積みの問題に立ち向かうことになる
●ヒラリーは新兵訓練係の父から男子のように厳しく育てられた
【こんな人におすすめ】
→ ヒラリーが逸材であることがよくわかる。2016年大統領選への言及は少なめ

奥野 宣之(おくの・のぶゆき)
奥野 宣之(おくの・のぶゆき)

 1981年大阪府生まれ。同志社大学文学部を卒業後、新聞記者・ライターとして活躍。仕事や私生活での資料やメモの整理を独自に研究した結果をまとめた『情報は1冊のノートにまとめなさい』でデビュー。同書は31万部、読書を題材にした続編の『読書は1冊のノートにまとめなさい』が14万部、累計45万部のベストセラーとなる。情報の整理と活用、アウトプット技術などをテーマに「面白くて役に立つ本」をモットーとした著作活動を続けている。(発行部数は2010年1月現在のもの)
他に、『情報は「整理」しないで捨てなさい』(PHP研究所)、『だから、新書を読みなさい』(サンマーク出版)、『人生は1冊のノートにまとめなさい』(ダイヤモンド社)、『「処方せん」的読書術』(角川書店)、『新書3冊でできる「自分の考え」のつくりかた』(青春出版社)、『できる人はなぜ「情報」を捨てるのか』(講談社)、『完全版・情報は1冊のノートにまとめなさい』『完全版・読書は1冊のノートにまとめなさい』(ダイヤモンド社)、『「読ませる」ための文章センスが身につく本』(実業之日本社)、最新刊『図書館「超」活用術』(朝日新聞出版)も好評発売中。

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  • 1.almanos2016.06.30

    トランプ氏についてはご指摘の通りだが、ヒラリー女史にはもう一つ「潜在的な敵」が存在している。旦那の元大統領が。彼をもう一度ホワイトハウスに入れるという事実に気が付いた途端にうんざりして「あいつの顔をもう一度見るくらいなら」となる人がどの程度いるのか? というのを考慮しておいたほうがよいのではないかと思う。そもそも、女性大統領の夫をどう扱うかなんぞアメリカでも前代未聞だろうし。

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