• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

事例研究

記事一覧

千代田区に見るシェアサイクルの現在

公共交通としての普及・定着を探る

千葉 利宏=ジャーナリスト【2015.3.30】

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて東京都がシェアサイクルの普及支援に乗り出した。国土交通省もコンパクトシティ施策と連携した交通ネットワークとして、2020年度までに100自治体での導入を目標に掲げる。2017年3月末まで約2年半、自治体全域をフィールドにNTTドコモと共同で実証実験を展開する千代田区に焦点を当て、シェアサイクルの現状と課題をリポートする(関連記事)。

自転車シェアリングの基本協定締結式の様子。舛添要一東京都知事を中央に左から武井雅昭港区長、山﨑孝明江東区長、石川雅己千代田区長、矢田美英中央区長(写真:編集部)
[画像のクリックで拡大表示]
シェアサイクルの概念(資料:千代田区)
[画像のクリックで拡大表示]
鹿児島市のシェアサイクル「かごりん」のサイト。サービスを15年3月にスタートした。運営主体はJTB九州。スタート時の自転車台数は174台、ポート数は中心市街地活性化基本計画区域内に20カ所だ
[画像のクリックで拡大表示]

 東京都と江東区、千代田区、港区、中央区の4区はこの3月3日、シェアサイクル(コミュニティサイクル。本稿では固有名詞以外はシェアサイクルで統一)の利用促進に向け、「自転車シェアリング事業における相互協力に関する基本協定」を結んだ。現在は各区内での利用に限られているシェアサイクルだが、区境を越えての相互乗り入れを目指す。

 シェアサイクルとは、街の各所に専用のサイクルポート(自転車の貸出・返却拠点)を設置し、どのポートで自転車を借りてどのポートで返却してもよい仕組みを構築した貸し自転車事業のこと。世界の都市をみると、2007年に導入したパリ市のシェアサイクルシステム「ヴェリブ」が1700ポート・2万3000台、2012年のオリンピック開催に向けて2010年に導入したロンドン市の「サイクルハイアー」は700ポート・1万台以上と、かなりの規模で普及している。

 一方、都内の多くのシェアサイクル事業は実証実験段階だ。協定を結んだ4区のうち、実証実験をスタートさせている江東区、千代田区、港区の3区合計で自転車ステーション数は65ポート、自転車台数も800台に満たない(2015年1月末時点)。今年10月から実証実験を開始する予定の中央区を加えても1000台弱と、本格普及はこれからという段階だが、都が14年12末に発表した「東京都長期ビジョン」では、東京の活力を高め国際競争力を向上させる交通インフラの一つとして、シェアサイクルも位置付けられている。

 「シェアサイクルは東京都の公共交通システムと位置付けて続けようと思っている。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでには世界の都市に負けないシェアサイクルにしたい」――協定締結式の席で、桝添要一都知事は今後の普及促進に意欲を見せた。

 力を入れているのは東京都や4区ばかりではない。国土交通省が2月に発表した「交通政策基本計画」では、コンパクトシティ施策と連携した交通ネットワークとして2020年度までに100自治体での導入を目標に掲げている。国土交通省によると、2013年度にシェアサイクルを導入していた市区町村は54。最近でも、広島市がこの2月に、鹿児島市が3月にシェアサイクル事業をスタートさせている。

 今回の「事例研究」は、シェアサイクル導入自治体の中から、自治体内全域にサイクルポート(自転車の貸出・返却拠点)を設置し、回転率も全国平均の倍以上と高い「千代田区コミュニティサイクル事業実証実験」(愛称:ちよくる)の取り組みに焦点を当てて、シェアサイクルの現状と課題をみていきたい。

企画・運営
  • 日経BP総研
お知らせ

記事サーチ

都道府県別記事一覧

「新・公民連携最前線」の掲載記事を都道府県別にご覧いただけます。「地方創生」「CCRC」「コンセッション」など注目キーワードの記事一覧も用意しました。

ページトップへ