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革新性をもたらす洞察は、現場の「実践知」に根差す【前編】――日本企業の強みを活かす帰納的飛躍を起こそう(2/4ページ)

2014.02.17

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暗黙知と形式知の相互変換によって知識を創造し続ける

――現場直結のイノベーションを持続的に生み出す組織に生まれ変わるには、どのような取り組みが求められるのでしょうか。

野中 イノベーションが個人の主観や信念から生まれるといっても、組織全体として、イノベーションへの構想力や機動力を発揮できるような仕組み作りが重要です。

 組織的に知識を創造し続ける仕組みとして、「SECIモデル(セキモデル)」を提唱しています(図)。暗黙知と形式知の相互変換によって知識が創造され続けるというモデルです。暗黙知は身体での個別具体の経験を通して得られる信念や思いを含んだ主観的な知識で、言語化しにくいのが特徴です。一方の形式知は、普遍の言語や数値によって表現できる客観的な知識です。

 まず、身体・五感を駆使する直接の経験の中で、他者と共感・共振・共鳴することを通じて暗黙知を獲得します。これを「共同化(Socialization)」と言います。この段階が非常に重要です。次に、共感して得たものごとの本質を他者との対話を通じて言語化するというのが「表出化(Externalization)」です。ここでコンセプトが生まれてきます。そこで生まれたコンセプトを、ICTを駆使して既存の情報や形式知と関係づけて、起承転結の意味を持つコトづくりの物語りを創るのが「連結化(Combination)」の段階です。最後に、行動を通じて形式知を製品やサービスなどに具現化し、それらを使うことによって新たな暗黙知として理解・体得するのが「内面化(Internalization)」です。

 この一連のプロセスで、個人の知が集団や組織の知となり、そして再び個に還っていきます。つまり、個と組織がともに新たな知を創造・獲得していくことになります。これは、イノベーションを生み出すプロセスそのものです。暗黙知と形式知の変換をいかに早く行い、スパイラルアップしていくかが、イノベーションを持続的に生み出す重要なカギです。

 多くの企業は、企画(表出化)や分析(連結化)に注力し、共同化や内面化という実践が弱くなっています。しかし、そもそもの暗黙知を増やさなければ、形式知は増えません。つまり、実際に行動し経験してみないと、人と人とのダイナミックなやり取りや、具体的なコンテクスト(文脈)が生まれず、次の段階へ行くための気づきや洞察も生まれません。だから、共同化の段階が非常に重要なのです。

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