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挑む! 「ナノの世界」から「宇宙」までテクノロジー

X線レーザーという“夢の光”で「ナノ以下の世界」を観察する【前編】(1/5ページ)

2013.09.26

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 兵庫県・播磨科学公園都市の理化学研究所放射光科学総合研究センターには世界一の施設が二つある。大型放射光施設「SPring-8(スプリングエイト)」とX線自由電子レーザー施設「SACLA(さくら)」だ。
 ともにX線を利用して微小な世界を観察する大型装置だが、SACLAはより“きれいで強力な光”を使って原子の動きまで見ることができるのが特徴だ。世の中のあらゆる原子・分子レベルの現象を観察できる装置として、世界から注目されている。
 理化学研究所放射光科学総合研究センター長の石川哲也さんに、X線自由電子レーザーとは何か、どうやって発生させるのか、そして何ができるのかを聞いた。

インタビュー/長坂邦宏 nikkei BPnet編集
構成/宮島 理

X線を使って「ナノ以下の世界」を観察する

――SPring-8、SACLAという世界に誇る二つの大型施設がこちらにありますが、どんな目的の施設なのでしょうか。

理化学研究所播磨事業所長で放射光科学総合研究センター長を務める石川哲也さん

石川哲也・放射光科学総合研究センター長(以下、石川) この二つは一見、「ビッグサイエンス」のように見えるけれども、実はビッグサイエンスとは趣の違うものなんですね。

 ビッグサイエンスには明確な目的があり、それを達成するための研究が行われます。

 それに対してSPring-8とSACLAは、高エネルギー物理で培われてきた加速器を「光を出す装置」として使い、そのX線を利用して「ナノ以下の世界」を見る装置です。

 何かを見るということに終わりはありません。「見るという目的」はどんどん入れ替わります。大学や企業から多くの研究者がやってきて、学術研究もありますが、直接産業に結びついて利益を生み出す実に様々な研究が行われています。

X線自由電子レーザー施設「SACLA(さくら)」の全長は約700メートル。高品位な電子ビームを生み出す「電子銃」、電子ビームを光の速度近く(光の0.999999998倍の速度)まで圧縮・加速する「加速器」、磁石の間で電子ビームを蛇行させて放射光を発生させ、その光の波長をそろえる「アンジュレーター」などからなる。拡大図はこちら 提供 独立行政法人理化学研究所
兵庫県の播磨科学公園都市(佐用町)にある理化学研究所放射光科学総合研究センターの全景。リング状の建物が大型放射光施設「SPring-8(スプリングエイト)」の蓄積リング(加速器は画面中央の細い建物内)、直線状に長く延びる建物が「SACLA」 提供 独立行政法人理化学研究所
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