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未来を切り拓く「未知への挑戦」ビジネス

野菜栽培の切り札となる植物工場、ルーツは戦後GHQの「清浄野菜」農場にあり【前編】(1/6ページ)

2013.09.12

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 千葉大学の柏の葉キャンパス(千葉県柏市)内に、特定非営利活動法人「植物工場研究会」(理事長・古在豊樹)の実証施設がいくつも立ち並ぶ。太陽光や人工光を利用してレタスやトマトなどの野菜をクリーンな環境で安定的に高収量で生産するための「植物工場」だ。植物工場研究会の副理事長で千葉大学大学院教授の丸尾達さんに、研究会の目的、「植物工場」の概念やその“意外”な歴史的背景などについて聞いた。

インタビュー・撮影/長坂邦宏 nikkei BPnet編集
構成/宮島 理

住宅展示場をイメージ、いろんなタイプの植物工場が見学できる

――産学連携で研究に取り組んでいる「植物工場研究会」は、2009年10月に勉強会が発足し、その後、特定非営利活動法人になりました。研究会の目的について聞かせてください。

「植物工場研究会」の副理事長を務める丸尾達さん。千葉大学大学院園芸学研究科蔬菜園芸学研究室教授

丸尾達さん(以下、丸尾) 勉強会が発足した当時、千葉大学では農林水産省からの補助金で植物工場の実証・展示・研究拠点をつくることになっていました。ただ、それを実際にやっていこうとすると、なかなか大学だけでは難しい。そこで、一つは千葉大学の拠点をサポートする意味で研究会を立ち上げる必要がありました。

 もう一つの目的としては、せっかくいろいろな研究成果が出てくるわけですから、それを国内外に広めていくことを掲げています。大学だけではなかなか展開しにくいようなところまで、当研究会を通して研究開発や事業などを広めていくことができると考えています。

――植物工場研究会のメンバー構成はどのようになっていますか。

丸尾 千葉大学を主な拠点として、多くの企業・団体が参加しています。現在、団体会員は約100社で、そのうちの60社くらいがコンソーシアムのメンバーとなっています。

――多くの企業が参加していることから、植物工場の産業化に対する期待も高いわけですね。

丸尾 残念なことに、既存の商用植物工場の中には、経営的にうまくいかないところも少なくありません。その一つの原因として、ちゃんと実証された技術が導入されていないということがあるように思います。

人工光利用型の植物工場には窓が一つもない完全密閉構造

 植物工場が発展するためには、実証された技術を広く見せていくことが重要です。

 そこで、当研究会では住宅展示場をイメージして、千葉大学柏の葉キャンパス内にある植物工場の見学ができるようにしています。

 ここに来れば、いろんなタイプの植物工場が見学できて、メリットもデメリットもすべてわかるようになっています。

主な光源として蛍光灯を使い、ヒートポンプで24時間空調を管理するなどして、異物の混入がないクリーンな環境でレタスを効率よく栽培する
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