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南海トラフを掘る探査船「ちきゅう」、立ちはだかるのは黒潮の速い流れ【前編】(1/6ページ)

2013.09.06

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 海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球深部探査センター(CDEX)の地球深部探査船「ちきゅう」が9月13日から南海トラフの掘削を再開する。今回は海底から3600メートルまで掘り進めて地質などを調査し、巨大地震発生の仕組みを解明するのが目的だ。
 だが、いったいどうやって何千メートルもの海底下を掘るのか。「ちきゅう」プロジェクトを統括する東垣センター長、同センター企画調整室の倉本真一次長に、世界最高性能を誇る「ちきゅう」の掘削方法や苦心談について聞いた。

インタビュー/長坂邦宏 nikkei BPnet編集
構成/宮島 理

26カ国が参加する国際共同研究、日米が主導

――2005年7月に完成した地球深部探査船「ちきゅう」を主力船とし、総合国際深海掘削計画(IODP)が行われています。これはどんなプロジェクトなのでしょうか。

「科学者というのは貪欲ですから、『もっと下はどうなっているのか』ということが気になります」と語る東垣(あずあ・わたる)地球深部探査センター長 撮影/中野和志

東垣センター長(以下、東) 大きな特徴は26カ国が参加する多国間の国際共同研究であることです。おそらく海洋の国際共同研究の中では、もっとも大きな研究だと思います。

 2003年からまず10年計画で始まったのですが、それ以前の国際共同研究は米国が主導していました。2003年からは日米で主導するという計画に変わっています。日本がこの手の大きな国際プロジェクトを主導するのは初めてのことでしょう。

 日本が「ちきゅう」を、米国がもう少し規模の小さい掘削船を提供しています。それから欧州は、掘削船が入れないような氷床域や浅海域にマッチする規模の船を提供する。地球上の70%以上は海洋で占められているわけですが、そのいかなる場所でも掘削できる体制を整えています。

 その中で「ちきゅう」に課せられたミッションは、海底下を深く掘るということです。

 2003年以前の国際共同研究時代、米国の船では海底下をせいぜい2キロまでしか掘ることができませんでした。その程度の掘削力では、地球のマントルには届きません。科学者というのは貪欲ですから、「もっと下はどうなっているのか」ということが気になります。

 もっと大きな能力を持った船が必要ということで、日本が「ちきゅう」を提供することになったわけです。

地球深部探査船「ちきゅう」は2005年7月に建造。全長210メートル、最大乗船人数200人。人類史上初めて巨大地震発生域やマントルへの大深度掘削に挑む 提供 JAMSTEC
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