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挑む! 「ナノの世界」から「宇宙」までテクノロジー

中国・インドも参加する巨大望遠鏡。30m主鏡で「東京から京都にある百円玉が見える」【後編】(1/7ページ)

2013.07.26

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前編より続く)

 「ハッブル宇宙望遠鏡」の13倍もの解像度を誇る口径30m超大型望遠鏡(TMT)を5カ国の国際共同プロジェクトでハワイに建設、2022年の本格観測を目指す。地球外生命や正体不明の「ダークエネルギー」など宇宙の大きな謎を解明するのが目的だ。夢とロマンを大いにかきたてるこのプロジェクトには、いったいどんな技術が使われるのだろうか。そして、こうしたビッグサイエンスの意義とは何か。前回に続いて、TMT計画を推進する国立天文台の家正則TMT推進室長にインタビューした。

インタビュー/長坂邦宏 nikkei BPnet編集
構成/宮島 理

すばる望遠鏡で技術検討から18年かかった

――「30m光赤外線望遠鏡(TMT)」の計画はいつ頃からスタートしたのでしょうか。

「ビッグサイエンスには基礎研究と人類の夢という大きな意義がある」と語る家正則TMT推進室長。国立天文台、東京大学大学院、総合研究大学院大学の各教授を兼務。すばる望遠鏡での研究業績により2013年度日本学士院賞 撮影/中野和志

家正則TMT推進室長 そもそも日本として30メートル級の計画を早くから考え始めたのは、8メートル級の「すばる望遠鏡」の建設実現にまで実に長い道のりを経験したからです。

 すばるは1984年に技術検討会を始めて、大学関係者やメーカー関係者らによる30回以上の会合を重ねたうえで、88年頃に概要が固まりました。国への概算要求で準備費をお願いし、実際に本予算がついて建設が始まったのは91年のことです。つまり、建設が始まるまでに7年の歳月を要しています。

 さらに建設には9年かかりました。ファーストライト(最初の観測)は99年1月ですから、検討し始めてから観測を始めるまでに16年かかっているのです。8つの観測装置も完成して全国の研究者に共同利用してもらえるような体制が整ったのは2002年なんです。

 すばるの本格運用が安定した2002年から、私を含め何人かの研究者で次のことを考え始めました。すばるでさえ最終的に18年かかっていますから、2002年から検討を開始しても、次世代の望遠鏡は早くても2020年頃の完成になりそうであり、決して早すぎることは無いと考えたからです。

30m超大型光赤外線望遠鏡(TMT)の完成予想図。風による望遠鏡の揺れを最小限に抑えるため「帽子型ドーム構造」が採用される。ドームの高さは56メートルで、主鏡30メートルの割にはコンパクトに設計される 提供 国立天文台
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