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未来を切り拓く「未知への挑戦」ビジネス

ソチ五輪で金を獲り、ボーイングやエアバスなど外国企業から仕事を受注する!【後編】(1/7ページ)

2013.04.10

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前編から続く)

 東京都大田区の中小企業約40社が中心となって製作した「下町ボブスレー」。この4月から2号機の製作が始まり、そのそりで2014年のソチ五輪(ロシア)を目指す。しかし下町ボブスレー・プロジェクトの本当の狙いは、さらにその先にある。企画や事務局役を務めた大田区産業振興協会の広報チームリーダー・奥田耕士さん、主任コーディネーター・小杉聡史さんに前編に続いて話を聞いた。

インタビュー/長坂邦宏 nikkei BPnet編集
文・構成/宮島 理

ボブスレー全日本選手権で女子チームとして出場(2012年12月)、優勝を飾る(以下、ボブスレー関連の写真は大田区産業振興協会提供)
[画像のクリックで拡大表示]

見たことも聞いたこともないボブスレー

――技術的に一番難しかったのはどういった点でしょうか。

大田区産業振興協会広報チーム、主任コーディネーターの小杉聡史さん
撮影/中野和志

小杉聡史さん(以下、小杉) 部品点数は自動車のような製品に比べれば多くありませんし、今まで培ったノウハウがあれば対応できるものでした。ですので、「作るだけ」ということなら技術的にはそれほど難しくはなかったと言えます。

 ただ、問題はその後の試走などで、選手の意見を聞きながら修正を加えていく過程ですね。選手が訴える感覚的なものを、どのようにそりにフィードバックするか。そこは未知の世界でしたので、みんな試行錯誤でした。

奥田耕士さん(以下、奥田) 一番大変だったのは、見たことも聞いたこともないボブスレーというものが、どういうもので、どう作るのか。それを理解する最初の段階だったかもしれません。競技規則もすべて英語で書かれていますから、それを読み解くのにも骨を折りました。ものづくり以外の部分で結構苦労したと言えます。

小杉 あとは、試作機(1号機)を初めて滑らせる時でしょうか。もちろん、ものづくりには自信がありますけれども、実際に4Gもの力(重力の4倍の力)がかかる激しいスポーツで、自分たちが作ったそりがちゃんと走るのかどうか。その点はみなさん不安だったと思います。

ボブスレー(Bobsleigh)
 空気抵抗を低減する流線形のカウル(ボディ外板)で覆われたそりに乗り、氷を張った全長約1300メートルの曲がりくねったコースでタイムを競う。最高速度は約140キロ/時に達し、「5Gの遠心力がかかる滑走時間は、2秒を超えてはならない」と規定にあるように選手は過酷な環境で戦う。そりの最小重量は、2人乗りが170キロ、4人乗りが210キロ。各部品のサイズなど細かい規則が定められている。
 冬季五輪では1924年の第1回シャモニー・モンブラン大会から正式競技。そりの開発は各国を代表する自動車メーカーや航空宇宙関連企業などが中心となっている。イタリアチームはフェラーリ、ドイツチームはBMW、米国チームは全米自動車競争協会がスポンサーとして名を連ね、文字通り、「氷上のF1」と呼ぶにふさわしい競技だ。「下町ボブスレー」プロジェクトのキャッチフレーズは「日本からの挑戦状。」「フェラーリに挑む」である。
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