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未来を切り拓く「未知への挑戦」ビジネス

打倒フェラーリの「下町ボブスレー」、大田区中小企業が世界に挑戦状を叩きつけた【前編】(1/7ページ)

2013.03.21

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 東京都大田区の中小企業約40社が中心となって製作した「下町ボブスレー」が2014年のソチ冬季五輪(ロシア)出場を目指して奮闘している。合言葉は「フェラーリに挑む」だ。世界に誇る大田区のものづくり力。なぜ「氷上のF1」と呼ばれるスポーツの世界に飛び込み、初の国産機を開発したのか。企画や事務局役を務めた大田区産業振興協会の広報チームリーダー・奥田耕士さん、主任コーディネーター・小杉聡史さんに「下町ボブスレー」の狙いと意気込み、製作のエピソードを聞いた。

インタビュー/長坂邦宏 nikkei BPnet編集
文・構成/宮島 理

2012年12月23日、ボブスレー全日本選手権で女子チームとして出場。コースレコードに0.09秒遅れの好記録をたたき出し、みごとに優勝を飾る(以下、ボブスレー関連の写真は大田区産業振興協会提供)
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初めて国際大会に参戦、公式に認められる

――3月6、7日、米国レークプラシッドで行われた「ノースアメリカンカップ」の男子2人乗り競技で、「下町ボブスレー」が初めて国際大会に参戦されました。結果は?

大田区産業振興協会広報チーム、主任コーディネーターの小杉聡史さん
撮影/中野和志

小杉聡史さん(以下、小杉) 第8戦と第9戦が行われたのですが、両方とも総合7位という成績でした。出場チームは1日目が20チーム、2日目が19チーム。ワールドカップよりはランクの低い大会なので、もう少し上位を狙えたのではないかといった評価もいただきました。

 試合結果よりも重要だったのは、そりの「マテリアルチェック」をクリアしたことです。そりが国際競技規則にあっているかどうかをチェックするもので、それをパスすることが課題の一つでした。その点では私たちの下町ボブスレーが国際基準を満たしていることが証明できました。

 また、現地で下町ボブスレーに人だかりができるほど注目されたことも収穫でした。日本以外の外国の選手やコーチからも良い反応がありました。日本が新しいそりを作ったということで、かなり関心を集めたようです。

 私たちとしては、第一歩はクリアできたと考えています。国際大会で非常に良い経験を積むことができました。日本製のそりが初めて国際大会に参加したということに意義があったと思います。

ボブスレー(Bobsleigh)
 空気抵抗を低減する流線形のカウル(ボディ外板)で覆われたそりに乗り、氷を張った全長約1300メートルの曲がりくねったコースでタイムを競う。最高速度は約140キロ/時に達し、「5Gの遠心力がかかる滑走時間は、2秒を超えてはならない」と規定にあるように選手は過酷な環境で戦う。そりの最小重量は、2人乗りが170キロ、4人乗りが210キロ。各部品のサイズなど細かい規則が定められている。
 冬季五輪では1924年の第1回シャモニー・モンブラン大会から正式競技。そりの開発は各国を代表する自動車メーカーや航空宇宙関連企業などが中心となっている。イタリアチームはフェラーリ、ドイツチームはBMW、米国チームは全米自動車競争協会がスポンサーとして名を連ね、文字通り、「氷上のF1」と呼ぶにふさわしい競技だ。「下町ボブスレー」プロジェクトのキャッチフレーズは「日本からの挑戦状。」「フェラーリに挑む」である。
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