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経営決断&IT戦略 強い経営者は今、何を考えているのかビジネス

【原田泳幸 日本マクドナルド -前編-】 「らしさ」にこだわり、ブランドコントロールを徹底する(1/5ページ)

2012.07.13

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 海外進出を加速する日本企業の動きが目立つ。日本マクドナルドは外資系企業とはいえ、その市場は日本国内に限られる。縮小する国内市場で勝ち残るには、どうしたらよいのか。そのヒントを得るため、前後編の2回にわたって強い経営者・原田泳幸氏の独自の経営改革手法をインタビューする。

インタビュー/長坂邦宏 nikkei BPnet編集
文・構成/宮島 理
写真/中岡泰博

パイを大きくしていく発想が大切

――人口減などが原因で日本の国内市場が縮小していると言われます。外食産業についても、2011年の市場規模は23兆475億円と4年連続でマイナスです(外食産業総合調査研究センター調べ)。そんな中、日本マクドナルドは既存店売上高が8年連続して前年を上回るなど業績が好調ですが、縮小する国内市場をどう見ていますか。

原田泳幸・日本マクドナルドホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長兼CEO 「おいしくて便利で安いものを提供していくしかありません」

原田泳幸氏(以下、原田) 外食マーケットが縮小していると言われますが、実は、食事の場が変わっただけで、食の消費自体はさほど落ちていません。たしかに外食消費は急激に下がっていますが、いわゆる「中食(なかしょく)」(弁当や総菜などを買って家で食べること)を合わせると消費は落ちていない。要するに、外食からデリバリー、テイクアウトにシフトしているという話なんです。

 リーマンショック以降、消費者心理は保守的になっています。とくに東日本大震災以降は、節電の影響もあって特に昨年の夏は「内食(うちしょく)」、すなわち家庭での調理が減っている。最近、コンビニの業績が好調なのも、内食が減った分、テイクアウト需要としてコンビニの弁当・総菜などがよく売れているからです。

 ですから、弊社としてはどうやって内食のお客様を外食・中食に連れてくるかということに注力しています。外食マーケットの中で既存客を取り合い、シェア争いをしていては業界全体が消耗するだけです。ご存じのように、牛丼3社は熾烈な価格競争をした結果、お客様を食い合う状況になっています。

 同じパイでシェア争いや価格競争をするのではなく、市場規模21兆円(食材消費額)の内食マーケットからお客様を取り込んで、パイを大きくしていく発想が大切です。そのためには、家庭で作るよりもおいしくて便利で安いものを提供していくしかありません。

原田泳幸(はらだ・えいこう)氏
日本マクドナルドホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長兼CEO
 1948年長崎県生まれ。72年に日本NCRに入社し、エンジニアとしてスタート。その後、横河・ヒューレット・パッカード、シュルンベルジェグループを経て、90年にアップルコンピュータジャパン(現Apple Japan)へ。代表取締役社長兼米アップルコンピュータ社副社長に就任。2004年2月、日本マクドナルドへ入社し、2005年3月より現職。
 主な著書に『マクドナルドの経済学』(共著、PHP研究所)『勝ち続ける経営』(朝日新聞出版)など。
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