前回までのインタビューで指摘されたのは、「自由な経済活動を促すべき政府が、逆に経済活動を縛り、経済成長を阻んでいる」ということだった。そうした内容を受け、今回は民主党政権のマクロ経済運営という考え方の欠如、政権交代後の根本的な過ちから話を始め、日本航空救済や東京電力再建をめぐる問題点などを語っていただいた。

インタビュー/長坂邦宏 nikkei BPnet編集
文・構成/宮島 理

マクロ経済運営という考え方が民主党にはない

――前回までは、経済と財政という大枠を忘れ、民主党政府が「社会保障と税の一体改革」という狭い枠で誤った政策をとっているというお話でした。そもそも民主党は経済戦略、経済観を持っているのでしょうか。

竹中平蔵氏(以下、竹中) マクロ経済運営という考え方が民主党にはない、ということなんだろうと思います。象徴的に言えば、経済財政諮問会議の機能不全が挙げられます。

 2001年に中央省庁改革が行われるまでは、財政は大蔵省(現・財務省)が受け持ち、マクロ経済の状況については経済企画庁が見ていました。これはたとえるなら、会社の経理部と企画部が別々に動いていて、まったく一体性がない状態だったと言えます。

 普通は、会社の企画部で売上見通しを作っているのに、それが経理部と何の関係もしてないということは考えられません。しかし、日本の経済運営というのは完全にタテ割りで行われていたわけです。

 それが、中央省庁改革で経済財政諮問会議というものがつくられました。経済財政政策担当大臣ができ、初めて経済と財政を一体的に運営する体制ができあがったんです。

 経済は財政に影響を与えるし、財政政策のやり方によって経済は変わってきます。それをちゃんと見る仕組みが、2001年にようやく整えられたんですね。

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