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【第17回】先手を打てる商品開発活動への転換 

Associe

高業績チームは先手を打てている

 今回パイロットプロジェクトを行う商品開発部門のグループでは3つの商品開発チームが走っており、その3チームがパイロットの対象である。営業部門と同じく、まずは時間の使い方と成果を週次ミーティングで確認することから始めていた。

 もちろんこれまでもチーム毎に週次の進捗レビューは行っていた。だが、内輪の技術的な問題解決の話題が多く、進んでいるのか遅れているのか、問題がどれくらい大きいのか、会社としてサポートすべきなのか、経営者が聞いても分かるようになっているとは言えなかった。そこでまずは、週次ミーティングの前提として、商品開発のスケジュール管理フォーマットを共通化することで日々の進ちょくが見えるようにした。そうしてみるとやはり、高業績商品開発チームの特徴が見えてきた。

 高業績チームは、この数年来ほとんど問題なく計画どおり商品を投入できている。製造段階になってからの仕様変更も少なく、市場投入後の施工フォローやクレーム対応に走り回ることも少ない。毎年のバージョンアップも想定された範囲内で収まることが多く、比較的苦労がない。一方、他の2チームは、機器や部品メーカーの開発の遅れや品質問題などトラブル解決に忙殺されがちであり、また既に市場に出した商品の施工サポートやクレーム対応に手間がかかっている。

 一言で言えば、高業績チームは万事にわたって先手を打てていて、他チームはすべてが後手に回っている印象である。なぜそうなるのだろうか?具体的に活動の内容はどう違うのだろうか?

 もう少し踏み込んで見てみたい。しかし顧客名や案件名という形で活動内容が分かりやすい営業と違って、商品開発者のスケジュールはそのまま見ても分かりにくい。そこで、活動の内容を見えやすくするために、最初の1カ月の活動時間を図のような枠組みで分類・集計することで各チームのメンバーの時間の使い方を比較することにした。そうすると以下のことがわかった。

商品開発者がどこに時間を費やしているか

商品開発者がどこに時間を費やしているか

 まず横軸の「プロセス」の軸で見ると、営業の高業績者と同様、商品開発の高業績チームもプロセスの上流に投入している時間の比重が高い。その内容として何をやっているのか話してもらうと次の通りだった。

  • 文献に目を通し、技術動向をつかんでいる。
  • 技術オタクなメンバーを専任として徹底的に情報収集させ、機器をつないでテストさせている
  • 競合他社の商品についても展示会や顧客訪問を通じてウォッチしている。
  • 商品の施工性や運用上の使い勝手などについてもサービス部門や顧客を訪問してよく情報を集めている。
  • 試作・検証に非常に力を入れ、ショールームのデモシステムの活用度も高く、常にメンバーを張り付けている。
  • 機器ベンダーをうまく使っている。開発の早い段階から機器ベンダーに提案をさせ、筋の良いベンダーを発見している。ベンダー側から見てもアルファ社とのつきあいは単に「もっと納期を早く」「もっとコストを安く」という話ばかりではないので熱が入るらしい。

 次に、縦軸の「検討・活動対象」の軸で見ると、機器をつなぐシステムのインフラにあたる部分の検討に力を入れている。

  • 通信方式の変化やICタグの出現など、大きな技術的な変化の中でシステムの基盤がどうなっていくのか、そこにどのような機器がぶらさがっていくのか、そのような議論、そして今後の見極めに力を入れている。

未来起点で関係者をリードする ── ロードマップ手法の導入

 しかも、技術の調査や検証を闇雲に行っているのではない。今後の市場の変化や、技術の進化の方向性が、ロードマップとしてチームリーダーの頭に入っており、それに基づいて今後のアルファ社製品についての仮説を立て、その仮説が、情報収集、整理、試作、評価を導いている。つまり、仮説を検証する形で調査を行っているのだ。高業績チームのリーダーは「今後リリースする製品について3年後、5年後までのイメージを持てていれば大丈夫だと感じますね」と言う。

 ロードマップとはどのようなものかと聞いてみると、図のようなものであるらしい。そして、チームリーダーは、IBMや村田製作所が用いているロードマップ手法、そして、松下電器が用いているテクノストーリー手法などを参考にしているという。また、経済産業省がとりまとめている『技術戦略マップ2007』も尽きない情報の源泉で、それを読むのが趣味だという。

ロードマップのイメージ

ロードマップのイメージ

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