読者からの“タレコミ”
なんとか中途採用で入ったのですが、まずどんなことをすればいいのかわかりません。毎日、焦っています。対応策を教えてください。
人事ジャーナリストが返信
結論からいえば、中途採用で雇われた以上、早い段階で期待されている成果を出すことが何よりも大切でしょう。
新卒の場合は、戦力になるまでに、依然として一定の「猶予期間」が与えられています。最近は、成果主義の導入などにより、一人前になるための助走期間が短くなっていると聞きます。
しかし、筆者が取材をしている限りでは、一部の企業を除き、マスコミで騒がれているほど、新卒者がその意味で厳しい状況下に追い詰められているとは感じません。
むしろ、注意すべきは中途採用者のほうです。こちらは、まさに即戦力として雇われます。以前に比べ早いうちに成果を出すように求められています。これは、経営陣というよりも現場がそのような考えをもっていると考えられます。
ただし、この場合の「成果」とは、あくまで上司が求めるものです。決して、自分ひとりで決めるものではありません。中途採用で入社したあなたは、まず、上司に次のことを尋ねてみてはいかがでしょうか?
「なぜ、わたしを採用したのですか?」
いきなりこんなことを聞かれたら返答に困るかもしれませんね。しかし、その上司が強く反対していたら、あなたはおそらく採用されなかったはず。ここが、新卒採用と大きく違う点です。
このあたりの意味がよくわからない人は、連載の1回目から4回目までをもう一度、読んでみてください。中途採用は、あくまで現場主導で進みます。現場の責任者である上司がNO!と言えば、90%以上の確率で不採用になるでしょう。ある大手商社で人事担当役員をしていた人は、98%と言います。
だからこそ、雇ってくれた上司に自分に期待しているものを確認してみるのです。上司は、必ず「防衛本能」をもっています。管理職や経営陣であるならば、非管理職以上に「自分の身(=メンツ、プライド、地位)を守りたい」と密かに思っているものです。
入社して日が浅いあなたが、上司に前述の質問をすれば、そんな心理を必ずくすぐることになります。「ああ、自分のコントロール下に入ってきてくれた」と安心するでしょう。そして、得意気に「君の新規開拓の営業力に期待していて、早いうちにこのエリアの責任者になってほしくて……」などと、話すのはないでしょうか?
ところが、中には、直属上司への挨拶を後回しにして、ほかのセクションの部課長などに「今度、入社しました〇〇です」などと、笑顔を振りまいている人がいます。これでは、職場サバイバルの感性はゼロ!
何よりも真っ先に挨拶するのは、直属上司でしょう。上司は、あなたが自分のところへ最初に挨拶に来ると思っています。人間は心をもっていることをお忘れなく。
まして、この連載の中で「前歴紹介」について述べましたが、直属上司は、前職においてあなたが直面していた不満や問題を知っている可能性が高いと思われます。そう考えると、あなたに対し、「バイアス」(偏見)をもっていないとも限りません。だからこそ、おとなしく、上司のコントロール下に入る「演出」をすることが大切なのです。
人は誰しも期待をする一方で、その裏には不満がくすぶっているものです。あなたが早い段階で、上司に従う意思を示すと、その不満はしだいに解消されていきます。この時期には、上司に「この人は管理できる!」と思わせることこそ、最大のポイントです。
ここまで読むと、反論もあるでしょう。「いまは成果主義の時代だから、結果さえ出していればいいんだ!」と豪語する人がいるかもしれません。それは、あまりに会社を知らなさすぎる見方です。潰されるのは時間の問題でしょう。余計な心配かもしれませんが、MBA関連の本にかぶれていませんか?













