タイマーを使い、時間を制限することで仕事の効率をアップするライフハックは有名だ。だが、今回提案したいライフハックは次の2点で違う。
- カウントダウンタイマーを使い残り時間を意識する
- カウントアップタイマーを併用して無理のない時間を決める
説明の順序としては、2番目を先にしたほうがよいだろう。
通常の時間制限ライフハックは微妙な形で精神論が入り込んでいるものだ。たとえば「この作業は30分で終わらせるべきだ」というとき、「べき」といった精神的な追い込みが含まれてしまっている。気分を奮い立てるという点では有効かもしれないが、一度か二度試してみてやめてしまうタイプのライフハックになりがちだ。重要なのは、仕上げる時間についての理想ではなく、標準的な時間の意識をもつことなのだ。
最初は「べき」から考えてもよい。ある種のルーチンワークをついだらっとしてしまうとき、その作業は何分くらいで終える「べき」だろうか?そう問い掛けてみる。だが、次に、実際はどのくらい時間がかかるだろうかという、正直な推定をしてみる。その推定値をメモしておき、次にカウントアップタイマーを使って、実際の時間を計測してみる。カウントアップタイマーは、0から順に1、2、3と時間を示す数字がアップしていく通常のタイマーだ。
重要なことは、「べき」の推定時間、正直な推定時間、実際の時間、の3つの時間での誤差の感覚だ。これをいくつかのケースで数回実行してみると、正確な推定時間についてくっきりとした水準の感覚が身につく。逆に言えば、その推定時間の感覚がもてないなら、カウントダウンタイマーを使うべきではない。

設定した時間からカウントダウンタイマーを使って作業の効率を高める。カウントダウンタイマーはスポーツ専門店で購入できる。
次の手順はカウントダウンタイマーの具体的な利用だ。カウントダウンタイマーは、指定した時間から刻々と減算していくタイプのタイマーだ。減算タイマーとも呼ばれる。私は、アルバ ピコマルチタイマーを愛用しているが、カウントダウンタイマーはどのストップウォッチにも装備されている機能ではないので、購入時に機能をよく確認しておこう。加えて重要なのは、最初の時間設定の操作が面倒だと使いづらいので、素早く30分、15分といった時間設定ができるタイプがよい。
一定の作業を行うとき、この推定時間がだいたいわかれば、カウントダウンタイマーでその時間を設定し、デスクの見えるところに置いておく。カウントダウンしていく時間が見えることで作業の配分の感覚が補正される。くどくなるが、カウントダウンタイマーを使うのは効率を調整するためであって、無理に作業を終えることではない。
こうしたカウントダウンタイマーを使った作業の効率化で目立って有効なのは、インターネットの利用だ。検索サイトを使って調査をしているとき、ついテレビをダラ見するように時間を費やしてしまうことがある。そうすることで思わぬ発見があることも多いのだが、当面の調査は時間的に区切ったほうがよいだろうし、カウントダウンタイマーでその区切りを意識するとよい。



テクニカルライター。1957年東京生まれ。国際基督教大学卒業後、同大学院で言語学を学ぶ。1990年前半友人と翻訳・テクニカルライティング事務所を経営。1994年末、インターネットによる遠隔地業務可能に合わせフリーランスとなり沖縄に移住。2002年東京に戻り現在に至る。「日経クリック」(現在休刊中)で10年間Q&Aを担当。日経トレンディネット











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