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細野透 「危ない建築」と「安全な建築」の境目を分けるもの 建設

建築基準法で建物の倒壊を防止できるか(前編)――「全壊率テーブル」に示される、首都直下「震度7」地震の被害(5/8ページ)

2012.04.05

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長周期地震動が発生するか否か

 確認しなければならない第3は、「長周期地震動が発生するか否か」である。

【長周期地震動とは】
〔1〕 地震動のうち、周期が数秒から数十秒の成分が、ゆっくり、そして長い時間(数百秒)にわたり、揺れ続けるタイプの震動をいう。
〔2〕 周期の長い震動は、超高層ビルや石油タンクの周期と一致するため、共振して、悪い影響を及ぼす。
〔3〕 長周期地震動はまた、免震建物に、悪い影響を及ぼすこともある。

【長周期地震動はなぜ発生?──その1「大地震タイプ」】
〔1〕 地震の規模が大きくなるにつれて、震源から放出される長周期の地震動の振幅が、時間とともに増大し続ける傾向がある。
〔2〕 この長周期の地震動は、遠距離まで、衰えることなく伝わりやすい性質がある。

【長周期地震動はなぜ発生?──その2「堆積盆地タイプ」】
〔1〕 小さな「コップ」の水は短い周期で揺れ、揺れはすぐに収まる。
〔2〕 これに対して、大きな「洗面器」の水は長い周期でゆっくり揺れて、しかも揺れはなかなか収まらない。
〔3〕大きな堆積盆地は、大きな「洗面器」の水にたとえられる。
〔4〕このため、地震動が堆積盆地の中に入ってくると、「変質」して、長周期の地震動に変わっていく。

【東日本大震災における首都圏の長周期地震動とは】
〔1〕 周期5~10秒の長周期地震動のレベルは、04年の新潟県中越地震を少し上回るレベルだった。
〔2〕 一方、想定・東海地震の長周期地震動と比較すると、3割から5割程度のレベルだった。すなわち、想定・東海地震を警戒しなければならない。
〔3〕 マグニチュード9と巨大だったのに、M6.8の中越地震と同程度だったのは、地震波の伝搬経路や関東地方の地下構造などの影響と考えられる。

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