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森永卓郎 厳しい時代に「生き残る」にはライフ

消費税上げ論議の問題点――欠陥だらけの「一体改革」を疑え(1/6ページ)

2012.01.31

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なぜ、必要以上の消費税をかき集めるのか
 

 政府・与党が2012年1月6日、消費税率の引き上げを柱とする「社会保障と税の一体改革」の素案を正式決定した。野田総理は英国のチャーチル元首相の言葉を引用し、「ネバーネバーネバーネバー・ギブアップ」の精神でやり抜くと、消費税の引き上げに不退転の決意を示した。

 今回の改革案では、消費税率は現在の5%から、2014年4月に8%、2015年10月に10%へ引き上げられることが決められた。

 ただ、社会保障と税をどうリンクさせるかについて、どこまで腰を据えて考えたかについては大きな疑問が残る。

 改革案資料を読んでみると、2015年に消費税を引き上げる時点での社会保障の新たな必要額は、子ども手当、医療、介護、年金などの細かい改善をするための約3兆8000億円となっている。同時に「重点化」「効率化」という社会保障削減案も打ち出しており、それにより約1兆2000億円の削減が見込まれる。差し引きすると、約2兆7000億円の費用が必要(四捨五入の関係で引き算が合わない)だというのが社会保障改革のカネ勘定だ。

 これに対して、消費税率を5%から10%に引き上げると、13兆円が入ってくることになる。そもそも2兆7000億円の費用が必要だと言っているのに、13兆円分も消費税を上げなければならないというのは理解しがたい。

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