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森永卓郎 厳しい時代に「生き残る」にはライフ

EUが壊れていく!――財政協定、格下げの連鎖がEUのメルトダウンを加速(1/7ページ)

2012.01.24

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ドイツの主張通りの財政協定を首脳会議で決定
 

 2011年12月9日の欧州連合(EU)首脳会議は、欧州債務危機の打開に向けて、イギリスを除く26か国が財政規律を強化する財政協定に参加することを決めて閉幕した。

 今回の合意では、各国が自国の憲法に構造的財政赤字がGDPの0.5%を超えないようにするとの規定を盛り込むことになった。対GDP比で3%を超える年間財政赤字の予算となった国には自動的に課徴金が課せられ、赤字是正のため、予算を含めた構造改革プログラムを策定し、外部からの審査を受け入れる。一方で、ユーロ圏共同債の導入は見送られた。

 結果は、ほぼドイツの主張通りになった。つまり、ドイツの独り勝ちだ。

 ドイツにしてみれば、ギリシャ、スペイン、イタリアなどの南欧諸国への金融支援をするにしても、それらの国々の放漫財政のツケを直接自国の納税者に負担してもらうというのでは、国内世論の納得が得られない。そのためには各国の財政規律を厳格化し、赤字の垂れ流しを再発させないという保証を得ることが必要だと考えた。しかしそれは、明らかにドイツのわがままだ。

 EU加盟国のうち17か国は、ユーロという共通通貨を使っている。そのユーロが、思わぬ恩恵をドイツにもたらした。欧州債務危機の発生で、ユーロが大幅に安くなったのだ。たとえば、リーマンショック直前の為替は、1ユーロ=168円に達していた。それがいま90円台だから、約4割も安くなっている。そのおかげでドイツは、どんどん輸出を増やし、大儲けしているのだ。

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