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東海地震にどう臨むべきか
 

 東海地震に関するゲラー教授の指摘は、分かりやすくいえば、次の2点に要約できる。

 (1)東海地震の事前予知はできない。よって、「政府が警戒宣言を出す」などという事態もあり得ない。

 (2)東海地震が今後30年に発生する確率は87%という説も、今となっては、「根拠はあやふやである」としかいいようがない。

 会場からは、ゲラー教授の見解に対して、出席者からは強い反対論が出なかった。

 それでは、いつかは必ず来る東海地震に対して、我々はどう臨むべきなのか。松沢暢東北大教授はおおむね次のように発言した。

 (1)日本列島は今、地震学者たちが経験したことのない「未知の異常な状態」になっている。よって、今後どうなるか、まったく予想が付かない。

 (2)日本列島の周囲にある海溝沿いでは、どこでもM9は起こり得るし、M10の可能性も否定できない。

 (3)東海地震が3連動、あるいは4連動になるという説に関して、確かな根拠はないけれども、それを否定する根拠もない。

 (4)東海地震に関しては、「再現期間」が長くなるモデルと短くなるモデルがある。すなわち、東海地震は、明日来るかもしれないし、数十年後、百年後かもしれない。

 特別シンポジウムは、午前9時から午後5時まで、長時間かけて行われた。この種のシンポジウムでは、午後になると参加者が途中で少しずつ帰りはじめる例が多いのだが、今回に関しては、数百名の参加者のほとんどが最後まで熱心に耳を傾けていた。

(追)読者の皆さまへ
 ロバート・ゲラー東京大学教授は、「大規模地震対策特別措置法(通称、大震法)はリセットのために撤廃すべきである」と主張されています。読者の皆さまは、この見解をどのように受け止めますか。

 「大震法の撤廃に賛成」あるいは「大震法の撤廃に反対」などと立場を明記したうえで、ご意見をお寄せいただけますなら幸いです。

 なお、大規模地震対策特別措置法(通称、大震法)は、1978年に施行されました。

 大規模な地震の発生が予知された場合に、あらかじめ定められた地震防災計画に基づき、行政、民間が協力して地震災害を防止・軽減するために、応急対策を講じるという内容です。警戒宣言の発令や解除も定められていて、現在のところ対象地域は東海地方に限られています。

細野透(ほそのとおる)
細野 透 建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。細野透編集事務所代表。大学と大学院で建築の構造を学んだ。師である構造家の坪井善勝・東大名誉教授(故人)は、建築家の丹下健三氏(故人)と組んで、代々木オリンピックスタジアム、東京カテドラル聖マリア大聖堂を設計した。ジャーナリストになってからは、方向音痴にめげずに、1000作品以上の建築&住宅を現地取材。インタビューした建築&住宅専門家は3500人を超える。日本建築学会学会賞選考委員会、建築計画委員会、現代建築評価小委員会、リスクコミュニケーション手法に関するWG委員。ブログ「建築雑誌オールレビュー」主宰。

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皆様からお寄せいただいたご意見

大震法撤廃賛成です
今の地震学者は自分の利権を守るために 今までの地震予知を肯定している
ただそれだけ
東海地震も35年も前から明日来てもおかしくないって言ってた地震学者
その間に確率の低いところで大きな自信が何回も来ている
それに今回は南海トラフとかの大地震のでっちあげ その前に東海地震はどうなったのですか
東海地震も分からないのに 東日本の地震も分からないのに
南海トラフ地震が分かるのでしょうか
悪い言葉で言えば 南海トラフ地震は地震学者の飯の種(早川)(2013年01月25日 15:59)

過去の地震は 歴史で残してきているのに 疎かにしていると思う 過去の地震に対して未来にむけて メッセージを残しているのに いかされてない
それと 未来的考えを組み込めば 予測は出来るのではと思います。100パーセントではなくても (べーちゃん)(2012年03月01日 09:02)

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