自分の思いを伝えるのは「遺言」だけ?
「自分が亡くなった後に、思いを伝える方法は?」と問われると、まず頭に浮かぶのは「遺言」だろう。書店では「遺言書の書き方」が平積みになり、売れ行きもいいようだ。
今までは、生きているうちから死後のことを考えるのに抵抗感を持つ人が多かった。それが最近になってタブーではなくなりつつある。「死んだ後のことは、残った者たちで適当に」では無責任、と言われる時代になってきた。
遺言書の中で、残されるであろう家族への思いを綴り、自分の「相続」で家族内の「争族」が起きないように心を配る。書き上げた遺言書を前に、「自分の死んだ後のことはもう大丈夫」とほっとするのもわかる。
しかし、遺言には決定的な欠点がある。
遺言の効力は、遺言者の死亡の時に生ずる。つまり、遺言に書いた「思い」がたしかに実現されたかどうか、自分自身で確かめようがないのだ。たとえば亡くなった後、遺言と異なる内容で遺産分割協議がまとまり、その結果、自分の思いが実現されないことだって十分にあり得る。
そんな自分の「思い」を「確実に」実現し、自分自身で行く末を見届けるひとつの方法がある。それが「生前贈与」。自分が生きているうちに財産を分けることで、家族に「思い」を伝え、亡くなった後の「争族」回避もできる。
しかし、押さえるべきポイントを外してしまうと、「高額の贈与税」という手痛いしっぺ返しを受けかねない。今回は、生前贈与を賢く使いこなす方法を見ていくことにしよう。



