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夏原武「隣は詐欺師」――ついに来た「すぐそばに詐欺師」の時代ライフ

「イラクのディナール投資」という「叶わぬ夢」。高齢者だけでなく、若者も「マルチ商法」で食い物にされる現状を暴露する!(7/7ページ)

2010.07.29

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復興時にイラクが新紙幣を発行したら!?
 

 こうした新旧通貨交代の場合、旧通貨の交換が量的制限を受けることも、よくある。たとえば2009年の北朝鮮でのデノミでは、交換金額の上限は約3000円相当で、旧通貨の交換期限は、発表後わずか1週間だけだった。

 イラクが新紙幣を発行した場合、日本にいて旧紙幣からの交換を行うことは、きわめて難しいだろう。その段階において、日本の金融機関でディナール紙幣が換金できる状態である保証は、どこにもない。

 ディナールを抱えた人は、急遽イラクに飛ぶ必要が出る可能性がある。

 ――もうこれ以上書く必要はないだろう。

 「ディナール投資」の結論はこうだ。

●現在、他国通貨と兌換が難しい、事実上無価値な外国通貨
●将来、イラク経済が復興する保証はどこにもない
●仮に復興したとしてもレートが爆発的に上昇する保証はない
●新紙幣が発行された場合の対処法もない
●販売業者が「コレクション」として逃げる可能性がある

 前述した「国民生活相談センター」は、犯罪として断定できない現状だから言い回しは慎重だが、それでも「ディナール購入は、慎重な上にも慎重に対応すること」「高齢者や過去に投資トラブルに遭った人は、特に注意すること」「消費者の個人的な情報を元に勧誘する業者の話は信じないこと」「トラブルに遭ったら、消費生活センターに相談すること」としている。

 「慎重な上にも慎重に」とは、正しく解釈するならば「業者がどんな誘い文句で来たとしても、絶対に対応するな」ということなのだ。

夏原 武(なつはら・たけし)
夏原 武(なつはら・たけし)

 1959年生まれ。雑誌編集者を経てフリーランスに。著書に「サギの手口―最新裏仕事人列伝」(データハウス)、「現代ヤクザのシノギ方」(宝島社)、「バブル」(同・共著)、「震災ビジネスの闇」(宝島SUGOI文庫)、「反社会的勢力」(洋泉社新書y)など多数。
 漫画原作として現在、「水晶」(ビッグコミックスピリッツ)、「関東三国志」(プレイコミック)を連載中。
 近著に「新クロサギ」(小学館)、「現代詐欺師シノギの手口」(宝島社)、「ワルの生き方」(宝島社)がある。

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