2009年の暮れも押し詰まった12月30日、政府は臨時閣議で「新成長戦略」の基本方針を決定した。日本の長期ビジョンを描いたものというが、そこで出てきたのは新市場の創造プログラムであった。
それによると、新たな需要の創造によって、環境・エネルギー分野で140万人、医療・介護分野で280万人、観光分野で56万人などの新規雇用を生み出し、失業率を3%台に低下させるという。そして、2020年度までに名目GDPを現状の473兆円から650兆円程度に拡大させる計画である。
だがこれを見て、わたしは正直なところがっかりした。「束ねただけではないか」というのが第一印象であったのだ。
このプログラムというのは、わたしがシンクタンクに勤めていたときに、霞が関に頼まれてつくっていたものと基本的に同じである。そのようにして各省庁が提出したビジョンをただ束ねて発表したに過ぎない。これでは、自民党政権が繰り返し打ち出してきた成長戦略と本質的に変わらない。
もちろん成長も大切だが、民主党は「生活者視線の経済政策をとる」という方針を打ち出していたのではないか。供給側である企業の視線ではなく、需要側である生活者の視線で見ることを強調していたはずである。それが「新成長戦略」にはまったく見られなかった。




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