エレベーター利用に伴う「行動の制約」
前回は超高層マンションの長所を説明した。今回は、その短所を大きく7つのグループに分けて説明する。第1が、縦方向の移動手段をエレベーターに頼らざるを得ないための「行動の制約」である。
超高層マンションの販売広告では「最寄り駅から徒歩5分」などと記載される。しかし、実際には、これに、マンションに入りエレベーターに乗って、住戸にたどり着くまでの「数分間」を加えなければならない。
マンション評論家の碓井民朗氏によると「マンションのエレベーターの適正台数は、住戸50戸当たり1台とされ、小数点以下は三捨四入される」という。すると、次のような台数になる。
住戸数が65戸まで──エレベーター1台
70戸〜115戸 ──エレベーター2台
120戸〜165戸 ──エレベーター3台
このように、住戸数が65戸だとエレベーターが1台しかないため不足感が強く、70戸だと2台あって逆にゆとりを感じることになる。すなわち、わずか5戸の差が、大きな影響を及ぼすのである。
次に、エレベーターの速度は年代と機種によって様々だが、最近の製品では、高さ20階(約60メートル)だと分速60〜120メートル、高さ40階(約120メートル)だと分速120〜240メートル程度であることが多い。これを分かりやすく表現すると、1階から最上階まで、ノンストップで動くと30〜60秒程度で移動する計算になる。
しかし、エレベーターが最寄りの階に待機しているとは限らないので、その待ち時間を加えなくてはならない。また、通勤・通学時にはいっせいにエレベーターのボタンを押すため、エレベーターは各階停止状態になり、実際にはスピードは大幅にダウンする。20階から乗って、1階おきに10秒ずつ停止したとすると、1階まで3〜4分かかることになる。
ラッシュ時に不利になるのは低層階の人たちで、1回素通りされてしまうと、2〜3分は待たなくてはならない。人によって差はあるが、エレベーターを2分以上待つと「ずいぶん長いなー」と感じるといわれる。




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