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超高層マンションの長所と短所(前編)──お金で「眺望」を買う居住スタイル

建築&住宅ジャーナリスト 細野透
2009年 11月4日

「値崩れしにくい」として人気
 

 かつて、超高層マンションに住戸を持つことが、一種のあこがれであり、ステータスとされた時代があった。しかし、その普及とともに、事情はすっかり変わった。

 超高層マンションとは、高さで60メートル以上、階数でおおむね20階以上のマンションを指す。特に、縦に細長い形をしたものは、タワーマンションと呼ぶこともある。その数は、大都市圏を中心に、全国で約900棟、23万戸と推定される。

 不動産経済研究所の予測では、2009年以降に完成予定の超高層マンションは、全国で463棟、14万4000戸に達する。戸数を見ると、現ストックの実に約63%に達する。そのうち、首都圏は280棟、9万7000戸で、全国シェアの67%を占める。

 超高層マンションの建設計画が増えているのは、値崩れしにくいとして人気が高く、その影響が首都圏、近畿圏などの大都市圏から、地方中核都市や県庁所在地にまで及んでいるためである。

 広く普及するにつれて、超高層マンションへの居住は、今や、身近な現象になってきた。そして、最近、少しずつ認識され始めているのが、超高層マンションには長所だけではなく短所も多い、という事実である。

 この点、筆者は、「経済面に加えて、心身面でもタフでなくては、高層住戸を住みこなすことはできない」と考えている。

 超高層マンションの居住性に関しては、日本建築学会および日本マンション学会などを中心にして、1970年代から熱心な議論が交わされてきた。その議論を要約し、かつ最新の知見を加える形で、超高層マンションの長所と短所をまとめてみよう。

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