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「生活者重視」だけでは経済は回らない

経済アナリスト 森永卓郎
2009年 10月13日

円高を招いた藤井財務大臣の発言
 

 円高と株安が続いている。9月27日に為替が1ドル88円台まで急騰し、日経平均株価も1万円を割って以来、10月9日現在まで為替は1ドルは90円を割ったままだ。株価は10月9日にかろうじて1万円を回復したというレベルである。

 わたしは政権交代があった直後に、「民主党政権では、短期的な景気回復は難しい」という記事を書いたが、残念ながらその予想が当たってしまった。

 円高の直接のきっかけは、藤井財務大臣の発言だった。9月24日、ピッツバーグで行われた日米財務相会合において、「各国が通貨安競争をすることに私は反対だ」とガイトナー米財務長官に伝えたという。藤井大臣自らがその事実を明らかにしている。

 さらに記者団に対して、「為替は市場で決まるものだ。よほどのことがない限り、政府が為替市場に介入すべきでない」と強調したものだから、ドル売り円買いの動きが強まった。その結果の円高ドル安である。

 この藤井発言に対して、「失言」だと非難する人も多い。だが、私は別の見方をしている。藤井発言はけっして失言ではない。では何なのかといえば、藤井大臣は確信犯なのである。

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