「エレベーター新安全基準」を9月30日から施行
国土交通省は「エレベーター新安全基準」を9月30日から施行した。新安全基準の骨子は、「戸が開いた状態でカゴを走行させない」、「地震時の閉じ込めを防ぐ」、「乗り過ぎの基準を明記する」、「その他」の4点である。順番に見ていこう。
1番目が、エレベーターに「戸開走行保護装置」を付けて、ドアが開いた状態でカゴを走行させないこと。これは、16歳の男子高校生が死亡した痛ましい事故を教訓にした対策である。
死亡事故は2006年6月3日、東京都港区芝の23階建て賃貸住宅「シティハイツ竹芝」で発生した。1階から乗り込んだ高校生が、12階で降りようとしたところ、戸が開いたままの状態でエレベーターが急上昇。このため、乗降口の上枠とカゴの床部分の間に身体を挟まれたのである。高校生は病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。エレベーターはシンドラーエレベータ社の製品で、悲惨な出来事として世間を震撼させた。
この事故に象徴されるように、従来のエレベーターでは、電気系統の制御器、あるいは機械系のブレーキ装置が故障すると、カゴのドアが開いたまま走行する可能性があった。それを防止するため、新たに、制御器の回路を二重にするとともに、ブレーキ装置も二重にする「戸開走行保護装置」の設置を義務付けた。これにより、一方の回路またはブレーキが故障しても、もう一方の回路またはブレーキが働いて、戸開走行を確実に防止できるようにしたのである。
なお、国交省・昇降機等事故対策委員会は、最近、「既存のエレベーターにも対応できる、戸開走行保護装置の技術開発を推進し普及を図るべき」との意見を表明した。これを受けて、数年後には、既存のエレベーターについても、保護装置の設置が義務付けられる見通しだ。




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