民主党が政権をとったことで、派遣労働問題において大きな進展が予想される。かねてから民主党は、一部の専門的な技能を持つ人を除き、製造業への派遣労働禁止を言っているからだ。連立を組む社民党も以前から強く主張していることなので、遅かれ早かれ実現するとみていいだろう。
製造業への派遣労働が解禁されたのは、2004年の小泉内閣時代のことである。専門労働者ではない単純労働者への派遣解禁については、労働者の使い捨てにつながるという懸念があったのだが、それはまさに現実のものとなった。
昨年暮れから今年にかけての派遣村問題、ワーキングプアー問題など、すでに大きな社会問題化しているのはご存じの通りである。しかも派遣切りにあった人の2%強は、同時に住む家までも失って、ハウジングプアーなどということばまで生まれたほどである。
製造業への派遣禁止が実現すれば、2004年以前の姿に戻るわけだ。わたしも製造業への派遣はやめたほうがいいと思っている。というのも、厚生労働省が2009年8月に発表した調査によると、2008年10月から2009年9月までの1年間で派遣切りにあった人のうち、なんと97.5%が製造業で働く労働者だったからだ。つまり、派遣切り問題は製造業問題なのである。
しかし、大規模な製造業の経営者からすると、派遣禁止という措置は派遣労働者を雇用調整の安全弁として使えなくなることを意味する。だが、いったん味をしめた彼らが、そのままおとなしく引き下がるとは思えない。彼らは次にどういう手を打ってくるのか。そこで注目されているのが、「フレクシキュリティ」という考え方である。




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