8月30日に行われた総選挙で民主党が308議席を獲得し、政権交代が現実のものとなった。各メディアの調査からも分かるように、有権者は何よりも政権交代を求めた。現在の閉塞感を打破すると同時に、厳しい経済状況からの脱却を切望する国民が多かったからだといえよう。
なかでも、わが国が直面している最大の問題は景気だ。都市部ではまだしも、地方をまわってみると、もう半端ではない状況に追い込まれていることが分かる。たまりにたまった不満を民主党への投票行動に込めるとともに、民主党が政権をとることによって少しでも景気がよくなると考えている国民は多いはずだ。
落ち込んでいる経済を回復させる一番の方法は、経済を拡大することである。そこで民主党は、子ども手当や高速道路料金の値下げによって国民の手取り収入を実質的に増やし、消費を喚起しようとしている。
この民主党の成長戦略自体は間違っていない。だが、それが足下の不況から国民を救うことができるかといえば、残念ながらその可能性はゼロに近いといわざるをえない。
景気対策を考える場合、足下の景気と中長期的な景気とを分けて考えなければならない。いくら中長期的な展望が優れていても、足下の景気がよくならないようでは、国民の心は離反するばかりである。
今のままでいくと、これから半年から1年間、日本経済はさらに厳しい状態に追い込まれるとわたしは考えている。




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