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特集・インタビューライフ

「うつ」「自殺」の陰に、「コンビニ精神医療」の「ツナミ」があった 不景気があなたにもたらす心の病と家庭崩壊を考える~シリーズ4~(1/8ページ)

2009.09.02

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 今回は、まず、日本と比べて海外企業ではどうして過労・うつ・自殺が発生しにくいのか、その事例を紹介する。その上で、これだけ過労・うつの問題がクローズアップされているのに、医療制度でそれを救うことができないのはなぜかを精神医療に携わる複数の医師に語ってもらう。
 なお、本記事は、リテラジャパン・ファイザー主催で行われたパネルディスカッション「うつ病・自殺・格差社会」の内容に基づいて、日経BP社が独自に抜粋、編集したものである。

いざというとき頼りになるドイツの組合


 岩波 西澤さん、海外の動向で企業内のメンタルヘルスとか、復職の問題でご指摘はありますか。

 西澤 直接メンタルヘルスについてかかわってきたわけではないので、その点についてはお話できないのですが、労働組合のあり方とか労働時間についてはお話できるかと思います。

社会学者 西澤真理子氏

 私はドイツで日本企業に勤めていたことがあります。ずいぶん昔のことになりますが。たくさん日本企業があった町なのですけれども、夜残業する場合は労働監督庁に見つからないように窓に紙を張る習慣があると言われていました。ヨーロッパと日本では時差があるので、ちょうど向こうが夜になると日本が開く。やはり海外の支社ではその時間に働きたいというのがあって、相当な超過労働が行われていたわけです。

 ドイツの労働監督庁は非常に厳しいですから、長時間労働を見つけた場合には取り締まり、厳罰を求めます。サービス残業という話も先ほどありましたけれども、ドイツの企業はあまり残業代を請求してくれるなという感じです。「残業しないでくれ、払いたくないから」と。

 日本の場合はサービス残業がありますけれど、ドイツではできるだけ残業しないでくれという声が大きい。だから働く側も残業代を期待しないし、そのまま定時で上がるのが習慣になっています。ドイツは、年次休暇も6週間は権利として取っているところがあります。

 もう一つ、産業別の労働組合が非常にドイツは強いですから、金属産業であればIG Metallというところが必ずストライキをするし、ものすごく強いです。たとえば自分があまりにも辛くて休業したい場合、もしくは退職した場合には、まず最初に相談に行くのは会社内の組合で、そこが助けてくれるシステムを皆使っている。そこが日本の労働組合のあり方とも違います。

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