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新政権は米国と対等に付き合える外交力を磨くべきだ

経済アナリスト 森永卓郎
2009年 8月31日

 この記事が公開されるころには、総選挙の結果を受け、新政権発足に向けて大きく動き出していることだろう。

 どのような形の政権になるにせよ、国民の目がこれまで以上に厳しくなることは間違いない。年金、財政問題をはじめ、メディアではさまざまな問題について議論されているが、外交や国際関係といった問題は、国民生活に直接関係がないためか、あまり議論の対象とはなっていない。

 しかし、長い目で見ていけば、外交もまた国民の生活に直結した問題となることを忘れてはならない。外交しだいで、国民の生活は豊かにも貧しくもなるのだ。

 今回の総選挙の自民党のマニフェストを見て驚いたのは、「米国に向かう弾道ミサイルを日本で迎撃する」ということが明確に織り込まれたことだ。わたしは明白な憲法違反だと思うのだが、その点についてはさまざまな議論があるだろう。

 ここでは、そうした憲法論議は置くとして、日本の安全を守るためには、米国の安全保障に深く関与して、日米同盟を強化するというのが麻生自民党の考えだったわけだ。わたし自身は賛成できないが、そういう考え方があることは理解している。

 ただ問題は、それだけ米国に尽くした結果、日本の国益にかなうような見返りがあったのかということだ。すでに日本政府は、完全な不平等条約である日米地位協定を維持しているうえに、在日米軍の駐留費用を一部負担する、いわゆる思いやり予算を立てている。

 そこまで米国に尽くしているのに、はたして米国は日本のことを思ってくれているのか、はなはだ疑問だと言わざるをえない。

 皮肉なことに、自民党のマニフェストが公開された直後、そうした米国と日本の関係を象徴するようなニュースが飛び込んできた。メディアは選挙報道一色だったため、目を止めた人は少なかったかもしれないが、日本の行く末が案じられる、非常に気が滅入るニュースであった。

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