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総選挙直前の今こそ、小泉構造改革の総括をすべきである

経済アナリスト 森永卓郎
2009年 8月25日

 いよいよ総選挙が1週間後に迫ってきた。もちろん選挙結果も大切だが、本当に大事なのは、新しい政権が何を重要視して、どういう政策を打ち出していくかにあることはいうまでもない。何年後になるかは分からないが、次の総選挙までにはたして普通の国民が幸せになれるような政策が打ち出されるのか、それが問題である。

 そんなことを思ったのは、経済同友会、連合、日本青年会議所、全国知事会をはじめ、民間のシンクタンクを含めた9団体による、前回総選挙以降の自公連立政権の政策実績評価の結果を見たのがきっかけである。これは、学者や経済人らでつくる「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)主催の政権実績検証大会において8月2日に発表されたもので、政策実績が点数によって評価された。

 最高点でもPHP総研が付けた58点どまり。60点以上の及第点を付けたところは1つもなく、平均点は46点ときわめて低い評価に終わった。ただ、点数だけを取り上げて、どうのこうのといってもあまり意味がない。むしろ、点数をつけてしまったために、そればかりに目を奪われてしまい、大切なことが見えにくくなってしまったきらいがある。

 というのも、どこも辛口の評価をしているのは共通だが、評価する観点が大きく違っているのだ。たとえば経済同友会は、改革が先送りされているという理由で低い点をつけている。その一方で連合は、その立場からすれば当然ながら、日本を弱肉強食社会にしたとして低い点をつけた。結局、労使双方のどちらのグループにとっても不服という結果になったことは、小泉内閣以来の構造改革路線が、よくも悪くも中途半端になっているということを示している。そして、まさにそのことが、自民党内の混乱に拍車をかけたといってもいいだろう。

 都議会議員選挙後の内紛劇においては、その根本に小泉構造改革をどのように評価するかという点において、大きな対立があったのはご承知の通りである。あのゴタゴタは、本音では小泉構造改革と一線を画したい麻生総理と、構造改革派の議員たちとの権力闘争だっともいえよう。

 本当ならば、麻生総理はもっと早い時期に解散・総選挙をして、小泉構造改革に対する総括をすべきだった。ところが、解散を先延ばしにしてきたためにそれもできず、結局はその後の自民党内の大混乱の原因となり、ひいては支持層の離反を招く結果に陥ってしまったわけである。

 小泉構造改革は単なる過去の問題ではない。やがて成立する新政権の政策を考えるうえでも、今こそきちんと総括すべきだと思うのだ。

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