
被害者「そんなことをしたら、彼女が怒って帰ってこなくなってしまう」
筆者が彼に取材したのは、女性と連絡が取れなくなって1か月以上経過した頃。
「名刺の電話番号に掛けても間違いだと言われてしまう」と渡された名刺の電話番号を調べると、そこはいわゆる電話代行業。頼まれればどんな返事でもするというもので、犯罪の温床ではないかと指摘されることもたびたび。法人成りしていない個人会社が、もったいをつけるために利用することもある。
これは詐欺だなと思い、彼から詳しく話を聞いたわけだが、聞けば聞くほど怪しい。だいたい会社を共同でといいながら、金の受取証は個人名だ。住所地には、むろんだれもいない。電話は代行業、携帯電話はすでに解約済み。警察に被害届を出すことを勧めたとき、彼はなんと答えたか。
「そんなことをしたら、彼女が怒って帰ってこなくなってしまう」
呆れるしかないが、このパターンが、男性被害者にはまま見られる。あんないい女、もう現れないと思っているようだ。では肉体関係はあったのかと問うと、「最後の最後に一度だけ」という答え。言葉は悪いが一発5000万円とは、高くついたものだ。
その後、何度か連絡を取ったが、被害届を出した様子はない。もしかしたら、この女詐欺師はどこかでまた同じようなことをしているかもしれない。
彼女がうまくやったもう1つの理由は、被害者がそれなりの資産家で、5000万円は痛いには痛いが「だからといって破綻するほどではない」という、金額設定にもある。おそらく事前に綿密な調査をしたのだろうが、用意周到なものである。




