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休職「その後」が問題。「復職」と「退職」「自殺」を分ける「最重要ポイント」とは? 不景気があなたにもたらす心の病と家庭崩壊を考える〜シリーズ3〜

文/吉田直人 写真/リテラジャパン
2009年 8月5日

 長時間労働によるうつ病は着実に増加しており、大企業を中心に「うつからの復職プログラム」も整備されつつある。しかし、本来の趣旨とは異なり、当人を追い込んでしまうような事例もある。抜本的にこの問題を解決するには何が必要なのか、ジャーナリストと精神科医が解決案を提示し合う。
 なお、本記事は、リテラジャパン・ファイザー主催で行われたパネルディスカッション「うつ病・自殺・格差社会」の内容に基づいて、日経BP社が独自に抜粋、編集したものである。

うつからの復職プログラムは整備途上


 岩波 精神科の臨床の現場でも、実際にこの雇用とか労働の問題とうつ病の問題がリンクしているのは少なからずあると思うのです。その事例を、神庭先生と尾鷲先生に最近の傾向等を含めて少し挙げていただきたいのですが。

 神庭 下田の執着気質というのがあります。これは本人が困難な状況から逃げ出すことを嫌い、あくまでも自分が自分を追い詰めていくというパターンのうつ病です。これが典型的な日本人のうつ病のプロトタイプです。

 最近の若年者に特徴的なうつ病は、逃避型抑うつとかディスチミア親和型などとも呼ばれますが、本人が自分自身を追い詰めていくのではなく、今までの話にあるように会社から本人の努力を超えた仕事を押し付けられ、逃げるに逃げられない状況でうつ病になっていく。この執着気質の病前性格ではない方も、うつ病になりやすい状況にあります。

 もう1つは、企業によって温度差がかなりあって、非常に受け入れのいい積極的な企業と、「完全に良くなって明日から100%働けるようになるまではいつまででも休んでいていい。その代わり出てくる以上は100%やってもらいます。それで休職期間が満ちて、そこまでに治らなければ辞めてください」という企業がある。その両極端があって、非常に苦労しています。

精神科医・九州大学大学院教授 神庭重信氏

 うつ病の患者さんの会社復帰という点で言えば、患者さんが自殺するリスクが高い時期というのは、復帰していく時期なのです。復帰していく時期には、皆ひと安心していて「もう大丈夫だろう」と言う。そういうときが一番危ないのです。ケアの力も少し弱めて、しかも負荷は増やしていく。本人が本当によくなっていないところで、焦って復帰したときにそういう状況に置かれると、また具合が悪くなる。そのときに本人は自信を失うわけです。

 将来に対して再び絶望感を持つ。そういう時期が一番危ない。ですから、本来は復帰していく時期はさらに注意をして見ていく。半年〜1年は注意をして見ていくというのがあるべき姿なのですけれども、企業によっては「戻ってきた以上は働いてもらう」というところもある。メンタルヘルスに対する理解は、以前に比べてはるかに良くなってきています。けれども、もう一歩踏み込んで理解してほしいということは多々あります。

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