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日銀は現状がデフレスパイラルであることを認めよ

経済アナリスト 森永卓郎
2009年 8月4日

 消費者物価指数が過去最大の下落を記録した。総務省が7月31日に発表した6月の全国の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合が100.3(2005年の平均を100とする)となり、前年同月比で1.7%下落した。これは、先月(5月)に記録したマイナス1.1%という過去最大の下落を大きく上回り、比較可能な1971年以降の数字では過去最大の下落を更新した。

 しかも、下落自体が4カ月連続しており、前月比でもマイナス0.2%を記録している。まさに、デフレの状況が、はっきりと数字に表れているといってよいだろう。わたしは、この問題をどう処理するかが、今後の日本の命運を握っているとさえ考えている。

 それだけではない。給与もまた下落し続けているのである。7月16日に厚生労働省が発表した5月の現金給与総額(確報)は、前年同月比で2.5%の下落となった。しかも、賃金の下落は12カ月連続で、その率は今年に入って加速している。まもなく、6月分の速報値が発表されるころだが、おそらく「6月ショック」と呼ばれるほどの恐ろしい数字になるのではないかと予想されている。なぜなら、現金給与総額はボーナス込みで計算されるためだ。今年のボーナスは前年比2桁減ともいわれる悲惨な額であることから、どう考えてもかなりの下落になることは間違いない。

※原稿脱稿後の8月3日に発表された6月の速報値によると、7.1%の大幅な下落となった)

 それにしても、これだけ物価も給与も下落しているのに、メディアがあまり騒がないのはなぜだろうか、わたしは不思議でならない。まさか、1990年代以降に味わったデフレ不況と経済停滞のつらさを忘れたわけではないだろう。物価の下落と賃金の下落が連鎖するデフレスパイラルは、いったん陥るとその解消が容易ではない。早く対策を打たないととんでもないことになりかねないのだ。

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