帆立と焼きウニのクリームパスタ(1800円〜)  ウニは三陸産。塩分はほぼ帆立の塩気のみで仕上げられる。口の中いっぱいに、香り高い海の味とまろやかなクリームソースの風味が広がる(この記事の写真:田頭真理子)
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 南部小麦と北海道産のハルユタカ小麦をブレンドした特製の手打ちパスタが、大きな湯気を立てて茹(ゆ)であがる。クリームソースと大ぶりのホタテでパスタを和え、香ばしいウニのほぐし身をのせる。焼きウニは、海の香りをより濃厚に、贅沢(ぜいたく)に味わうためのひと手間。白ワインもいいが、ここはシャンパンを合わせていただきたい。

 壊れたままの建物や、基礎だけがむき出しになった広大な土地が港沿いに広がる大船渡。この町を車で走ったあとに、「ポルコロッソ」のしゃれた店内に入ると、それまでの厳しい風景がうそのように感じる。

 震災前も、ここは、いつもより少し特別なひとときを楽しむ店だった。「今日は外でおいしいものを食べようか」「デートの夕食に行ってみようか」。20代のころから、東京やローマでイタリアンシェフとして活躍してきた、オーナーシェフの山崎純さんが、腕をふるうこの町随一のトラットリア。

食べる、見る、泊まる、人に会う

 牡蠣(かき)、帆立(ほたて)、サンマ、鰻(うなぎ)、チカなど、三陸ならではの海の幸を使ったイタリアンは、テレビ番組の取材を何度も受けるほど評判を呼び、遠く仙台や東京からも足を運ぶ人がいるほど。