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味から始まる復興 ~復興グルメ~ビジネス

復興ニッポン:極細ちぢれ麺と琥珀色のスープ、釜石「新華園本店」(1/2ページ)

~味から始まる復興~

2012.04.18

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 「鉄鋼の町」や「漁業の町」といった言葉が思い浮かぶ岩手県釜石市。街おこしの一環として「釜石ラーメン」が始まったのは、60年以上前のことになる。その発祥の店として、地元では知らない人はいないのが「新華園本店」だ。

 「私の父が今の釜石ラーメンの原形を作りました。当時、このあたりでラーメンといえば太麺が主流で、ゆで時間も長かった。でも私たちのメインのお客さんは、時間のない製鉄所の作業員。そこで待たせずに作れる極細麺を開発したんです」。こう語るのは、店主の西条優度さん。

釜石ラーメン 500円  (この記事の写真:田頭真理子)
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 今は0.8~0.9mmほどの極細のちぢれ麺を使っている。麺は弟さんが営む製麺所で作られる特製のもので、ゆで時間は30秒ほど。「注文してから店を出るまで10分と掛からない」と評判だ。極細だがしっかりとしたコシがあり、豊かな風味とあいまって絶妙なのど越しである。スープは鳥ガラベースと豚骨ベースをブレンドした醤油(しょうゆ)味。さっぱりとした中にもコクがあり、ちぢれ麺によくからむ。東京など各地からの出店依頼が多いのも頷ける。

店主の西条優度さんご夫婦
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 震災前には40店舗以上で釜石ラーメンを楽しむことができたが、多くの店舗が影響を受けた。西条さんは地震があった後、すぐに従業員を避難させ、近くに住む高齢の母親の様子を見に行った。しかしそこに姿はなく、押し寄せる津波に、店に戻る道を断たれてしまったという。

 「あの時は本当に心配でした。連絡を取る手段がなく、トランシーバーがあればと心から思いました」

 幸いにも母親は入れ違いで店に避難し、西条さんの妻と店の3階に上がって難を逃れていた。「水は2階まであと1ステップというところまで来たそうです。もし2階まで浸水していたら、きっと店は再開できていなかったと思います。そのくらい店内は壊滅的な状態でした」

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