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復興ニッポン:こうして“世紀の大誤報”は起こった(1/2ページ)

2011.11.25

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 「すべてのメディアは延々と誤報を流してきたのか? これほど巨大なリスコミの失敗を私は見たことがない」。

 11月21日、意見交換会「『放射性物質の食品健康影響評価』と暫定基準の見直しについて」が行われ、内閣府、厚生労働省、農林水産省の担当者が講演を行った。冒頭のコメントは、最後に登壇した毎日新聞社の小島正美編集委員の弁だ。

11月21日、都内で行われた意見交換会「『放射性物質の食品健康影響評価』と暫定基準の見直しについて」

 「リスコミ」とはリスクコミュニケーションの略。社会を取り巻くリスクに対する情報を、消費者や事業者など関係者同士が正確に理解、共有するために行われる話し合いのことを指す。

 福島第1原子力発電所の大事故で放射性物質による被曝の不安が増大。内閣府の食品安全委員会によるワーキンググループは7月、過去の文献などから「放射線による影響が見られるのは、通常の一般生活において受ける放射線量を除き、生涯における累積線量としておおよそ100mSv(ミリシーベルト)以上」という評価案をまとめた。

 この100mSvは、摂取する食品による内部被曝だけの累積なのか、それとも内部被曝と外部被曝の合算を指すのか。食安委による説明が不十分だったことが、その後の大混乱を招いた。

 食安委が意図していたのは前者の内部被曝のみの累積。ところが各メディアは一斉に「生涯100mSvは内部被曝と外部被曝の合算」と報道してしまう。「評価案に明確な表現もなく、会見でワーキンググループ座長の山添康氏が『外部も含む』と誤って答えてしまったことが誤解を招いた」と小島氏は指摘する。

 食安委がすぐに訂正すれば問題はここで収束するはずだった。ところが訂正の機会は再三あったにも関わらず、報道に対する指摘がないまま、食安委は3カ月近く沈黙を続ける。誤解が明るみになったのは10月の事前説明会。ここで初めて、メディアは「内部被曝のみで100mSv」という事実を知ることになる。食安委の小泉直子委員長は、「多々反省すべき点があった。今後は丁寧なリスコミを図るように徹底していく」と異例の陳謝を行った。

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