長引く円高を背景に、有力な生産拠点としてベトナムへの進出に興味を示す日本企業が増えている。ベトナムの国民性や模倣品の実態、日本企業が進出する際の注意点などについて、ベトナムの知財事情に詳しい三好内外国特許事務所弁理士の岡田貴子氏に聞いた。
――ベトナムの国民性や風土について、どのように感じましたか。
ベトナムの首都ハノイ市における滞在経験からは、日本人に比べるとベトナム人は“時間に緩い”という個人的な印象を受けました。時間を決めて会う約束をしても平気で遅れてきたり、キャンセルしたりします。仕事面でも厳しさを要求され責任を負わされるより、仕事はそこそこの範囲でこなし、家族と過ごす時間を大切にしようとする人が多いようです。日本でよく言われる「ベトナム人は勤勉」のイメージとは少し違うかもしれません。
また、とにかく好奇心旺盛で、私のような外国人にも遠慮せずにどんどん話しかけ、年齢や家族構成など個人的なことを聞いてきます。年齢を自分と比較して相手の呼び方を変えることから、そこはどうしても聞きたいようです。住む環境としては、ハノイは日本のように四季があるので馴染みやすいのですが、冬が意外に寒いことに驚きます。食事は麺類など安くて日本人好みのメニューが多いと思います。ベトナム語は、文法はシンプルですが、声調があり、発音が難しいです。
――日本企業はベトナムに何社ぐらい進出しているのでしょうか。
最近の調査では、現地の日本商工会に加入している企業が約900社、未加入の企業が約700社で合計1600社前後と推定されています。業種は製造業や建設業、サービス業など多岐にわたります。日本企業が安い人件費を求めて進出していることから、ベトナム人にとっても必ずしも高給を得る対象になってはいないと聞きます。労働条件の改善を求める行動も珍しくなく、特に旧正月前の生産数量を増やさなければならない時期を狙ったストライキは多いようです。

















