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企業・経営

ECOマネジメント

スズキEV 異才集めた開発が始まるまで

2010年09月03日  RSS 

 「シのゴの、言うな。すぐにやれ!」

 経営者がこう発した瞬間、プロジェクトは直ちに動き出した。

 2008年、秋の初めのことだった。スズキ会長の鈴木修(当時。同年12月から会長兼社長)は、“中小企業のおやじ”そのままに断固として、しかも速やかに命じたのだ。

 プロジェクトの中身は、「スイフトのレンジエクステンダーを開発し、2010年5月までに(国土交通省の)型式指定を受ける」というもの。

 決定を受けた、四輪技術本部第二カーライン長でスズキの世界戦略車「スイフト」のチーフエンジニア、竹内尚之は思わず身震いをしてしまう。

 「これは、しんどいことになるぞ」と直感したからだ。というのも、2010年秋の発売を目指した新型スイフト(3代目)の開発が、佳境に入っていたためである。全力を傾注していた最中(さなか)、2代目スイフトをベースにした新しい環境対策車両の開発という予想しなかったテーマを、並行して進めなければならなくなった。

 何より、レンジエクステンダー開発は世界の大手自動車メーカーが取り組んではいたが、先進国で型式指定を得た車両は1台もなかったのである。つまり、前例はなく、しかも、1年半強の短期間にやらなければならない。

 現実を考えると、確かにしんどい。だが、竹内は、別の発想もする。

 「これは、ある面でチャンスだ」と。

 新しいジャンルなだけに、20代の若手を積極的に起用できる。つまり、若手技術者の成長につながっていく。そして、軽量化を中心に「これまで使われていない新技術を、思い切って投入できるだろう」と考えた。スズキの経営を支える登録車の「スイフト」や軽自動車の「ワゴンR」とは異なり、ある面でレンジエクステンダーは実験的な車両であったから。


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