「植物工場」とは、植物の生育に適切な環境を人工的に作り、季節や天候に左右されず野菜などを生産する施設のことだ。食の安全・安心への関心が高まる中、安定的な収穫が期待でき、無農薬栽培ができるこの「植物工場」が脚光を浴びている。
「植物工場」には、温室などで太陽光を主に利用し、人工光による補光や夏季の高温抑制技術などを用いて栽培する「太陽光利用型」と、閉鎖環境で太陽光を使わないで栽培する「人工光型」の2つがある。
「太陽光利用型」は、トマト、キュウリ、パプリカなどが主要生産品目となる。オランダは「太陽光利用型」の植物工場プラントを世界中に輸出している。彼らは、無人化と自動化を進めて、スケールメリットを追求している。一方、「日本はより高い品質を実現できる人工光型植物工場で勝負するべきだ」と千葉大の古在豊樹名誉教授は語る。「人工光型」は、草丈が低く、生育日数が短い、葉もの野菜、薬草・ハーブ、苗などに適している。もともと日本は空調や照明などの制御技術に長けており、特にLEDなどの人工光で野菜を育てる技術が優れている(「植物工場は『輸出産業』になりうるのか」)。
日本発の「植物工場」は、韓国、中国、香港、台湾などにも広がっている。「植物工場」設備の製造・運営ノウハウがある日本の関係者には、アジア各国から問い合わせが殺到しているという(「天候不順で工場野菜が人気」」)。
今後は、日本国内の「植物工場」で作った生産物の現地への輸出や、植物工場そのものと栽培のソフトウェアを一体化したプラントの輸出も有望になる。日本発の「植物工場」が世界中に輸出される可能性もある。「植物工場」は、環境問題を解決するための基盤技術の一つであるが、農業・食糧問題の救世主になる可能性もあり、企業にとってはビジネスチャンスでもある。
植物工場全般をまとめた次のような書籍もあるので、参考までに紹介しておく。
『植物工場大全』(日経BP社発行、日経BPクリーンテック研究所/日経ものづくり編)
参考記事
- 植物工場は「輸出産業」になりうるのか(ITro)
- 天候不順で工場野菜が人気(日経ビジネスオンライン)
- ものづくり十年の計・農業、進む植物工場(Tech-On!)
- 植物工場(ケンプラッツ)
















