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十市勉:エネルギー勢力図塗り替えるシェールガス

十市勉の『資源Wars』

2010年07月30日  RSS 

 泥が水中で水平に堆積して出来た岩石である頁岩(けつがん:シェール)の隙間に貯留されるメタンガスであり、非在来型天然ガスに分類される「シェールガス」の生産量が急増したこともあり、2009年には米国がロシアを抜いて世界最大の天然ガス生産国になった。

 世界有数のエネルギー調査会社、ケンブリッジ・エナジー・リサーチ・アソシエーツのダニエル・ヤーギン会長がフィナンシャルタイムズ紙(5月26日付)で答えたように、シェールガスの台頭は「21世紀に入って最大のエネルギー技術革新」となる可能性が出てきた。今後この勢いは、石油や天然ガスを巡る世界の資源地図を塗り替えて、エネルギー市場全体に大きな変化をもたらす力を秘めている。

 2009年9月の当コラム では、コールベッドメタンやタイトサンドガス、そしてシェールガスなど、米国における非在来型天然ガスへの関心の高まりを中心に報告したが、今回は、埋蔵量が豊富で生産量が急増中のシェールガスにスポットを当てる。

 2010年6月に発表された、マサチューセッツ工科大学(MIT)がまとめた報告書「天然ガスの将来」では、非在来型天然ガスについても本格的な分析がなされており、シェールガスに関しても、興味深い分析が数多く記載されている。そこからいくつか紹介したい。

 報告書によると、米国では今後もシェールガスの生産量が急増すると見込まれており、2010年の生産量である約2Tcf(兆立方フィート)、液化天然ガス(LNG)換算で4200万tが、2020年には5倍の10Tcfになるとされる。この急増の理由としては、豊富な埋蔵量が挙げられる。米国におけるシェールガスの埋蔵量については大きな幅があるが、最新の平均推計値は650Tcf。この数値は、在来型天然ガスの埋蔵量とされる245Tcfの約2.7倍であり、いかに潤沢であるかが分かる。そしてこのシェールガスの埋蔵量は、今後の調査や掘削技術の発展によって増加する可能性を秘めている。


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