2007年に死去した黒川紀章氏の遺作に当たる施設が、長崎県の壱岐島で開館した。壱岐市立一支国(いきこく)博物館と長崎県埋蔵文化財センターが一体となった複合施設だ。黒川氏が実施設計までを手掛けた。
建設地は、国特別史跡に指定されている原(はる)の辻遺跡を見下ろす山頂にある。「畑だった建設地は、かつては山を切り崩して整備された場所である」と黒川氏は判断。施設の建設によって、失われた弥生時代の風景を復元することがコンセプトとなった。周囲の山並みとつながるなだらかな曲面屋根には、芝を張って緑化を施した。黒川紀章建築都市設計事務所の亀井正弘氏は「生前の黒川の意図を損なわないため、黒川がフリーハンドで描いた曲線をポイントで拾い、図面をおこして実施に移した」と振り返る。
出展:2010年5月10日号 12ページ
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