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産業革命とクラウド

2010年03月15日  RSS 

 先日、知り合いから「10万年の世界経済史」(グレゴリー・クラーク著、久保恵美子訳)という書籍を薦められた。同書にある産業革命後の紡績工場に関する考察が、今のクラウドコンピューティングを巡る状況を彷彿とさせるのだという。その内容を少し紹介したい。

同じ機械を使っていても生産性に差

 筆者はこれまでずっと、「ガンジー」の伝記などの影響もあり、産業革命以後の綿織物産業について、以下のように考えていた。機械化された英国の紡績工場が生み出す綿織物は圧倒的に安価だった。それが、手工業が中心だったインドの綿織物産業を壊滅に追い込んだ──と。

 「10万年の世界経済史」によれば、歴史はそう単純では無かったのだという。実は19世紀後半には、インドの綿織物産業も機械化されていた。当時でも工業機械の輸出は今日のように行われていたそうだ。紡績機などはそう高価でもなかったため、綿織物生産の機械化は英国に限らず世界中で可能だった。

 そして19世紀末の時点でも「機械が導入されれば熟練労働者は不要になる」という認識が一般的だった。つまり「少なくとも1850年代以降は、労働コストの面で圧倒的に有利な貧しい国々が綿織物業界を席巻し、自由市場から英国を駆逐してもおかしくなかった」(「10万年の世界経済史」下巻224ページ)のだ。

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