現在、政府部内では地球温暖化対策基本法案についての折衝が行われていると報道されている。しかし、どのような論点を巡って、どのような議論がなされているのか、国民は全く知らされていない。わずかに新聞報道で情報を得ることができるくらいである。
地球温暖化問題は、言うまでもなく経済問題、生活問題、さらには安全保障問題でもある。もう少し開かれた形での議論がなされてもよいのではないだろうか。異論は聞かない、立場が違う人は受け入れない、という狭量な政策決定プロセスを続ければ続けるほど、決定された政策への信頼度は低くなるということに、今の政権の方々に早く気付いてもらいたいものである。
というわけで、手元には2月中ごろに環境省が公表した「 地球温暖化対策法案(仮称)の概要(たたき台) 」という資料しかない。その後版が進んでいるだろうから、以下の議論は論点がずれたり、既に決着済みの問題に触れたりすることになるかもしれないが、ご容赦願いたい。
私自身の行政経験に基づいた視点で見ると、本法案の重要な論点は次の5点である。
- 法律制定自体の必要性の有無と論拠
- 長期目標、中期目標の記述がどのようになるのか
- エネルギーセキュリティーや経済への影響(国民負担)に対する認識
- 排出量取引制度 や環境税の取扱い
- 政策決定プロセスの透明化
現在、地球温暖化対策についての基本的な推進方策や手続きを決めている法律として、「地球温暖化対策の推進に関する法律」が存在している。この法律は、今回の基本法と同じような性格や内容を持つものであるが、1998年に制定された経緯を、今の政府の人たちは皆忘れているのではないだろうか。
















