僕は2年前、単身でこの島の診療所に赴任した。単身者かどうか、ということと地域医療とは、医療行為そのものには直接は関係ない。だが、周囲を取り巻く環境や、医療だけじゃない地域医療にとっては少し関わっている気がする。「島で医者をする」ことは、「島の診療所で医療行為をする」と必ずしもイコールではない。
単身の身だと、仕事の相談や意見の交換、何気ない愚痴まで、誰かに話したいことがあっても、身近に話せる人がいないのだ。電話やメールを使うという手もあるが、対面ではないため、どうしてもストレスは残る。職場には看護師と事務の 2人の同僚がいるが、島の出身者であるため島に親戚も多く、うかつな話はできない。その他の島民にはなおさら言葉を選ばねばならず、飲み会などの場でうっかり仕事の話でもすれば、あっという間に個人が特定され、プライバシーが暴露されてしまう危険がある。
















