2月中旬にスペイン・バレンシアで第33回アメリカズカップの大会があった。カップを保持するスイス・アリンギチームに米国のBMWオラクルチームが挑戦してカップを奪回した。
このレースは全く変則的だった。ルールが全く変わって、ヨットは船体が複数あるマルチハル型だった。スイスは船体が2つあるカタマラン型、米国は3つあるトリマラン型で、トリマラン型が速かった。マルチハル型だと復原力が大きいので、風の力をたくさん受けて高速で走れる。それまでのアメリカズカップ艇がせいぜい13ノット(時速25キロ)程度までだったのに、マルチハル艇は30ノット(時速55キロ)にまで達することがある。
今回は、米国チームの圧勝だった。マルチハル型は設計が複雑で、設計の差も大きいから、勝敗のほとんどは設計によって決まってくる。以前のアメリカズカップは技術とセーリングが半々ぐらい勝敗に影響したので、レースの性格が大きく変化したことになる。極端に言えば、アメリカズカップが「純粋な技術開発競争」になってしまう可能性がある。

















