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 話題の3D映画「アバター」が日本での興行ランキング1位を9週連続で獲得した後、2010年2月22〜28日の週はランキング2位で、とうとう1位の座から陥落しました。それでも、2月末までの興行収入は約126億円、観客動員はのべ約800万人で、このままいけば、同じJames Cameron監督の「タイタニック」の262億円を超える可能性もありそうです。日本での歴代興行成績1位とされる「千と千尋の神隠し」(同304億円)まではさすがにまだ遠いようですが。

 学生時代、アパートの近くに多数の名作映画が年間1万円で見放題になるミニシアターがあり、そこで4年間に計数百本の映画を見ました。映画を少し多く見ていると、ある困ったことが出てきます。それは、新しく見たはずの映画が過去に見た映画の焼き直しにしか見えなくなってくること。名作映画の「ロミオとジュリエット」は、場面がニューヨークになったり京都になったりのさまざまなリメイク版が出てきて、しかもそれらが新しい「名作」になっています。アバターも例外ではなく、公開直後から「あの映画に似てる」「この映画の焼き直し」という議論がネット上にたくさん見られました。私自身、アバターを見て、高校時代に見たアニメ作品を思い出しました。

 もちろん、焼き直しであることに気づくことが悪いとは限らず、「あの名作をこう料理してきたか」や「オリジナルとリメイク版の違いを生んだ時代背景の違い」といった新しい視点を得られる可能性もあるわけです。実際、多くの映画評論は、その料理の仕方を解説することで成り立っているようにも見えます。それでも、少なくない映画ファンが新作映画を見て「あの映画の2番煎じ」と決め付けて思考停止してしまっている例が多いようです。過去に見た映画作品についての余計な知識のおかげで、新作に対する素直な感動や発見が失われてしまうとすればとても残念なことです。そして、自分自身もその「経験の罠」に陥っていないか、常に気をつけなければならないと感じます。

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